絵画「有明海干潟の朝陽」
「有明海干潟の朝陽」
佐賀県の最南端に位置する太良町に訪れた。目の前には有明海が広がっている。有明海といえば日本最大級の干潟を有する海として知られている。潮の満ち引きによる水位差は6mにも及び、刻一刻と景色が変化していく。前日の夕方は海中にあった浅瀬も翌朝になると潮が引いて泥で覆われていた。
沖には一艘の漁船が長い白波を引きながらのんびり巡航している。霞む雲の下には有明海苔を養殖する海苔網支柱群が一列に並んでいるのが見えた。朝陽が昇るにつれ、干潟の泥は光を受け陰影をつくりながら幻想的に輝き、海面は淡い茜色に染まっていく。今日も希望にあふれる一日がはじまる。
(「有明海干潟の朝陽」/F10号水彩画/絵と文 井上晴雄)








