丑池に映る公営住宅群(なつかしの泉北ニュータウン)

丑池に映る公営住宅群(なつかしの泉北ニュータウン)

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今回は私の生まれ故郷である、泉北ニュータウンの風景を描いた絵画である。私は小学6年まで泉北ニュータウンの一角(大阪府堺市南区)で過ごしたが、そこで得た数々の想い出や記憶は、心の拠り所であり、制作の大きな原動力にもなっている。

当時(1970~80年代)は、賑やかで新しいものにあふれていた街並みも、今では老朽化が進み、少子高齢者も伴って人口が激減。団地群の建て替えほか、再開発が進められている。

先日、久しぶりに現地に立ち寄ったところ、泉北高速鉄道 泉ヶ丘駅周辺の工事現場エリアが拡大。想い出のある街並みの一部が、またひとつ更地になっているのを見て唖然とさせられた。

時代の流れで再開発は受け入れざるをえないものの、生まれ故郷の風景が少しずつ壊され消えていくことに淋しさと焦りを感じた。おそらく10年以内、いや、あるいはもっと早い段階で、私の知る風景の多くは、全く違う風景にさま変わりしてしまうことだろう。

今のうちに、泉北ニュータウンを絵に描いて残しておかなければならない。そう強く思った。また、ニュータウンの風景は、日本の高度成長期を象徴する風景でもあり、表現しさまざまな方にお伝えする意義があるともいえる。そこで、そのテーマで急遽制作をスタート。

今回の絵は、泉北高速鉄道の泉ヶ丘駅(堺市南区)の近くにある、丑池周辺の風景である。公営住宅群や緑の木々が、静まり返った池の水面に映りだしている。

(2022年8月制作/丑池に映る公営住宅群(なつかしの泉北ニュータウン)絵と文 井上晴雄/F10号水彩)

絵画「金沢城の雪景色」

「金沢城の雪景色」

金沢城は天正11年(1583年)、前田利家公が金沢入りをし居城とした地として知られている。なまこ壁や鉛瓦が葺かれた屋根など均整のとれた美しい城。
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金沢城址を含む一帯は金沢城公園として整備され、橋爪門続櫓、二の丸菱櫓、五十間長屋なども復元。石垣を廻らした要塞としての威風も漂っている。

ある日のこと、金沢に訪れると、しんしんと降り積もる雪はなかなか降りやまず、辺り一面は白銀の世界になった。ライトアップされた城跡を背景に、ボタン雪が白々と水晶のように輝きながら、ただ静かに降り積もっていく・・。

(絵と文 井上晴雄|「金沢城の雪景色」F10号水彩)

絵画「学校(小豆島・岬の分教場の風景/香川県小豆郡) 絵と文 井上晴雄

絵画「小豆島/岬の分教場」学校」(小豆島 岬の分教場)        絵画 井上晴雄小豆島は、瀬戸内海に浮かぶ、ちいさな島である。壷井栄氏の小説「二十四の瞳」の舞台ともなった学校「岬の分教場」までは、小豆島の南端にある安田から一本道。

自転車で緑のトンネルを抜けていくと、次第に、視界に海がひらけてくる。紺碧の海を眺めながら、岬の突端を目指してひた走ってゆくと、オリーブの葉が静かにそよぎ、陽があたたかく海面を照らしていた。

岬の分教場は、海のすぐ傍に現存していた。昔ながらの木造の校舎。建物の中に入ると、暗がりのなかに、黒光りする廊下がしんと静まりかえり続いていた。

ガラガラと、重たい扉を開けて教室に入ると、窓から差し込む、やわらかな光のなかに、古びた椅子と机が並ぶ光景が目に飛び込んできた。

                        (絵と文 井上晴雄「学校」~小豆島 岬の分教場」)

「ルタオ本店」(メルヘン交差点に立つ小樽の親愛なる塔」 絵と文 井上晴雄

「ルタオ本店」(メルヘン交差点に立つ小樽の親愛なる塔」 絵と文 井上晴雄

 

 

 

小樽(北海道小樽市)は、明治時代末期か昭和時代初期にかけて、流通の拠点として栄えた港町。当時「北のウォール街」とも称されさまざまな国の商船が出入りしたまちには、エキゾチックな雰囲気の建物が点在している。

 

 そのひとつとして知られるのは 小樽市内の堺町本通り南端「メルヘン交差点」に面して立つLeTAO(小樽洋菓子舗ルタオ)の本店。「小樽の親愛なる塔」と名付けられたそのそのクラシカルな外観は、メルヘン交差点のシンボル的存在となっている。

 

 

 

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 日が暮れると「メルヘン交差点」の界隈はさまざまな色彩の光に彩られ、より幻想的なムードに。常夜灯にあかりが点り、ルタオ本店からはあたたかい明かりが窓から漏れはじめる。

 

 「北の大地に根ざしたお菓子全国へ届けたい」をスローガンにルタオ本店が小樽市にてオープンしたのは、1998年のこと。

 

 その看板商品として開発されたチーズケーキ「ドゥーブル・フロマージュ」は、今やテレビや雑誌などに常に取り上げられ、全国的に知られるスウィーツとなった。

 

  「ルタオ ドゥーブルフロマージュ」は、クリームチーズのべイクドチーズケーキとマスカルポーネチーズのレアチーズムースの二層構造になっているチーズケーキ。上からカステラ粉がまぶされ、しっとりしたチーズの香りと濃厚なクリームのコラボレーションを楽しむことができる。

 

 ルタオスウィーツには、チーズケーキ「ドゥーブル・フロマージュ」の他にもチョコレート、ロールケーキなどさまざまなスウィーツが加わっている。

 

 当初は北海道のみで販売されていたルタオスウィーツだが、北海道の物産展などであまりに反響が大きかったため、冷凍技術の開発により、現在では、通販や大阪や東京などの有名デパートでの催事などでも販売されるようになった。

 

 チーズケーキ「ドゥーブル・フロマージュ」はじめルタオスウィーツは、子供から大人まで楽しめるやさしい味わい。クリスマスや年末にご家族やお友達と団欒のひとときを楽しむデザートとしても最適である。

 

通販>>LeTAO(小樽洋菓子舗ルタオ)

 

(「ルタオ本店」(メルヘン交差点に立つ小樽の親愛なる塔」 絵と文 井上晴雄) ※当絵画は2015年、寿スピリッツグループに寄贈しました

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絵画「夕暮れのお台場をゆく 新交通システムゆりかもめ」

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夕暮れのお台場をゆく新交通システム「ゆりかもめ」
           (台場駅~船の科学館駅) 
 
    
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</div>         絵画と文 井上晴雄
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</div> 新交通システム「ゆりかもめ」台場駅の付近は、ホテルやテレビ局、大型商業施設が立ち並ぶ、お台場の中心的役割を成すエリア。地上23階の台場フロンティアビルをはじめとする現代的な高層ビルも林立している。
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</div>  お台場の起源は江戸時代に遡る。1853年、アメリカよりペリー率いる4隻の艦隊が日本に来航し、江戸幕府に開国を迫りました。幕府はそれに対抗しようと品川沖に11基の台場を建造。結局砲台は一度もつかわれることはなかったが、一帯の埋め立て工事は進められ、お台場の基盤がつくられた。
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</div> 1941年、東京港が開港。1976年には首都高速湾岸線東京港トンネルが開通した。さらに1993年にはレインボーブリッジによって芝浦と台場間が結ばれ、次第に近未来的なお台場の風景が形成されていった。
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</div><div> 夕暮れどき、お台場の高層建築群はやさしい陽の光に包まれていった。そのなかを、新交通システム「ゆりかもめ」の車両が、ゆっくりと進んでいく。まるで遠いあの日に迎えた夕暮れのような、お台場の心地よいひとときが過ぎていった。  
                              (「夕暮れのお台場をゆく新交通システムゆりかもめ」 絵と文 井上晴雄) ※当絵画は平成31年3月、テレコムセンタービルに寄贈しました。 
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絵画「東京湾大華火祭」(東京都お台場 テレコムセンターにて)  絵と文 井上晴雄

東京湾大華火祭 (東京都お台場 テレコムセンターにて)  絵 井上晴雄

東京湾大華火祭 (東京都お台場 テレコムセンターにて)  

              「東京湾大華火の夜」                                       絵画と文 井上晴雄 東京湾大華火は、毎年8月第2土曜日に開催される花火大会である。隅田川花火大会、神宮外苑花火大会と並び、東京の代表的な花火大会としてその歴史を重ねてきた。花火の打ち上げ場所は晴海ふ頭公園および晴海ふ頭沖の台船。打ち上げ総数は約12000発に及ぶ。 花火大会の当日、テレコムセンター21階展望台および特設会場では、東京湾大華火祭「特別観覧ディナー」&コンサートを毎年開催している。東京タワー、レインボーブリッジ、湾岸地域の夜景を背景に、会席弁当とドリンクでゆったりと華火見物をできると好評だ。東京湾大華火は、大輪の花を咲かせる尺五寸玉、風情が漂う芸術玉、ワイドスターマインはじめ見ごたえ十分だ。

絵画「湯郷温泉の風景~」(岡山県美作市) 絵と文 井上晴雄

絵画「大山展望台にて/湯郷温泉」

 

 

 

        「湯郷温泉風景」(大山展望台にて岡山県美作市     
                         絵画 井上晴雄
 

 

岡山の湯郷温泉は静かな山あいにひっそり湯けむりを立てている温泉地である。その起源は古く平安時代、円仁法師が西国巡礼の折に、白鷺が足の傷を温泉で癒しているのを発見したことに由来する。

 

 

 

それから1200余年の年月が流れ、現在は界隈に12軒の温泉宿が点在し、旬の素材をつかった会席料理や「美肌づくりの湯」と称されるしっとりした温泉で人気を集めている。

 

 

 

温泉街の北部は「健康リゾート」として注目されているエリア。サッカー、ラグビー、ゴルフ、テニスなど、1年を通してさまざまなスポーツを楽しめる設備も整っている。

 

湯郷温泉は豊かな自然に囲まれており、桜、紅葉、雪景色など巡る四季の変遷に応じて旅人に訪れるたびの感動を与えてくれる。

 

(「湯郷温泉の風景」 絵と文 井上晴雄) ※当絵画は平成26年、湯郷温泉観光案内所 に寄贈しました

 

 

 

 

 

絵画「母校の風景(大教大附属天王寺中・高)

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(「母校の風景(大教大附属天王寺中・高)絵 井上晴雄)

絵画「お台場 テレコムセンター展望台とは」東京都江東区 (絵と文 井上晴雄)

「お台場 テレコムセンター展望台」 東京都江東区                                          

                                    絵と文 井上晴雄

お台場 テレコムセンターのある風景(絵 井上晴雄)

東京都江東区青海に立つ凱旋門のような独特の形をした建物、テレコムセンター。テレコムセンター展望台はその最上階(21階)にある展望台です。高さは約99mを誇り、窓外にはお台場の風景をはじめ、東京タワーやレインボーブリッジといった東京を代表するランドマークもご覧いただけるのが特徴です。

北側の窓外には東京タワーが雄大にそびえ、レインボーブリッジががまるで羽を広げた白鳥のように白く優雅に浮かびあがります。パレットタウンの大観覧車が色鮮やかに湾岸を彩るさまや、その先に顔をのぞかせる東京スカイツリーの姿も心和ませてくれることでしょう。

東側には「恐竜の橋」といわれるゲートブリッジが その先には房総半島はのびています。展望台の南側に広がるのは青海コンテナ埠頭の景観です。青海コンテナ埠頭は首都圏を代表する物流拠点のひとつで、世界各国から大型コンテナ船が就航し日々コンテナの積み降ろしや管理が行われています。その先には羽田空港があり、飛行機が夜空を旋回し横切っていくさまも心癒してくれます。産業の躍動そして未来への希望を感じさせてくれる光景です。          

絵画「天竜浜名湖鉄道の列車、国登録有形文化財の天竜川橋梁を行く(「旅の眼」掲載」)」 絵と文:井上晴雄

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「天竜浜名湖鉄道の列車、国登録有形文化財の天竜川橋梁を行く」<br />
                  絵と文 井上晴雄

「天竜浜名湖鉄道の列車、国登録有形文化財の天竜川橋梁を行く」
                  絵と文 井上晴雄

静岡県を走る天竜浜名湖鉄道の西鹿島駅から秋葉街道に沿う道をしばらく北上すると、天竜川と交差した。天竜川の澄んだ水は瀬音を立てながら遠州灘に向かって優雅に流れ、時おり飛沫が川面をキラキラ煌めかせている。下流方向には雄大な橋が浮かび上がっていた。長さ403mの天竜川橋梁である。橋の上には天竜浜名湖鉄道の線路が東西に延びていた。

天竜浜名湖鉄道は静岡県の新所原から掛川までの66.7kmを結ぶローカル線だ。その前身は昭和15年に開通した国鉄二俣線。旧国鉄の第二次廃止対象特定地方交通線になったことで、昭和62年に第三セクター鉄道として再スタートをきった。それから四半世紀近い月日が流れた現在、天竜浜名湖鉄道は地元の人々の通学や通勤の足として欠かせない存在となるとともに、観光鉄道としても注目されるようになった。浜名湖や茶畑が展開する美しい車窓風景の魅力は然ることながら、沿線の主要施設36カ所(平成24年現在)が国の登録有形文化財に指定されていることも観光客たちの関心を集めているのだ。天竜川橋梁もそのひとつで、鋼製七連橋桁と三連トラス橋からなるそのたたずまいには、昭和16年竣工当時の面影が残る。

無数の小石が連なる天竜川の河畔に陽光がやさしく差しはじめた時刻のことだった。「ガタンゴトン、ガタンゴトン」。山峡の風を割るようにレールを軋ませる音が渓谷に鳴り響き、白い一両編成の車両が青空の下に現れた。天竜浜名湖鉄道の列車だった。川面にその姿が映しだされたかと思うと、見上げる橋梁の上を力強く駆け抜けていった。

一瞬の出来事だった。列車が走り去ってしまうと、天竜川の瀬音だけを残して、また静けさが渓谷を包み込んでいった。大人になって忘れかけていた感動のかけらを思い出したような気がふとして、心地よい余韻に浸りながら列車が過ぎ去った橋梁をずっと眺めていた。

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▼作品(絵画)の目次 ①[北海道] ②[東北] ③[甲信越] ④[関東] ④[関東]Ⅱ ④[関東]Ⅲ ⑤[東海]Ⅱ  ⑤[東海]   ⑥[北陸] ⑦[近畿]Ⅰ ⑦[近畿]Ⅱ ⑦[近畿]Ⅲ ⑦[近畿]Ⅳ ⑦[近畿]Ⅴ ⑧[山陽] ⑧[山陽]Ⅱ ⑨[山陰] ⑩[四国] ⑪[瀬戸内海] ⑪[瀬戸内海]Ⅱ_ ⑫[九州] ⑬「その他2」 ⑬「その他」 ⑭テレコムセンター ⑭テレコムセンターⅡ ⑭テレコムセンターⅢ ⑮温泉 ⑮温泉Ⅱ ⑯美作 ■JR武豊線 ■radio ■「その他」 ■「夕陽Ⅳ ■「夕陽」Ⅰ ■「夕陽」Ⅱ ■「夕陽」Ⅲ ■「夜景」Ⅰ  ■「夜景」Ⅱ   ■「夜景」Ⅲ   ■「夜景」Ⅳ   ■「大地」 ■「山] ■「山]Ⅱ ■「川」 ■「川」Ⅱ ■「建築物」 ■「建築物」Ⅱ ■「建築物」Ⅲ ■「朝陽」Ⅰ ■「朝陽」Ⅱ ■「朝陽」Ⅲ_ ■「樹木」 ■「樹木」Ⅱ ■「海」 ■「海」② ■「海」③ ■「湖沼」 ■「漁村」 ■「空」Ⅱ ■「空」  ■「花」 ■「花」Ⅱ ■「花火」 ■「花火」Ⅱ_ ■「農村」 ■「農村」② ■「農村」③ ■「鉄道」 ■「離島」 ■「鳥昆虫」 ■山Ⅲ ■(その他2) ■(その他2)Ⅱ ◇TOPページ ◇「初冬」 ◇「初夏」 ◇「初夏」Ⅱ_ ◇「初夏」Ⅲ_ ◇「初春」Ⅱ   ◇「初春」  ◇「初秋」Ⅱ  ◇「初秋」  ◇井上晴雄 略歴 ◇個展情報 ◇季節なし ◇季節なしⅡ ◇晩冬 ◇晩冬Ⅱ ◇晩夏 ◇晩春 ◇晩秋 ◇黒豆ラングドシャ 「スポーツ報知」 連載コラム 「スポーツ報知」 連載コラムⅡ 「北海道新聞」にて 「旅の眼」 連載記事 「旅行作家」 表紙連載 「BC札幌」 連載記事 「BC札幌」 連載記事Ⅱ お客様の感想 なつかしの泉北ニュータウン 展示情報 目次/観光情報