丑池に映る公営住宅群(なつかしの泉北ニュータウン)
丑池に映る公営住宅群(なつかしの泉北ニュータウン)
今回は私の生まれ故郷である、泉北ニュータウンの風景を描いた絵画である。私は小学6年まで泉北ニュータウンの一角(大阪府堺市南区)で過ごしたが、そこで得た数々の想い出や記憶は、心の拠り所であり、制作の大きな原動力にもなっている。
当時(1970~80年代)は、賑やかで新しいものにあふれていた街並みも、今では老朽化が進み、少子高齢者も伴って人口が激減。団地群の建て替えほか、再開発が進められている。
先日、久しぶりに現地に立ち寄ったところ、泉北高速鉄道 泉ヶ丘駅周辺の工事現場エリアが拡大。想い出のある街並みの一部が、またひとつ更地になっているのを見て唖然とさせられた。
時代の流れで再開発は受け入れざるをえないものの、生まれ故郷の風景が少しずつ壊され消えていくことに淋しさと焦りを感じた。おそらく10年以内、いや、あるいはもっと早い段階で、私の知る風景の多くは、全く違う風景にさま変わりしてしまうことだろう。
今のうちに、泉北ニュータウンを絵に描いて残しておかなければならない。そう強く思った。また、ニュータウンの風景は、日本の高度成長期を象徴する風景でもあり、表現しさまざまな方にお伝えする意義があるともいえる。そこで、そのテーマで急遽制作をスタート。
今回の絵は、泉北高速鉄道の泉ヶ丘駅(堺市南区)の近くにある、丑池周辺の風景である。公営住宅群や緑の木々が、静まり返った池の水面に映りだしている。
(2022年8月制作/丑池に映る公営住宅群(なつかしの泉北ニュータウン)絵と文 井上晴雄/F10号水彩)















