絵画「新緑と渓流の輝き」
昭和50年に国鉄からSLは一度消滅したが、その旅情を再びと、近年観光列車としてSLの復活運転をしている地域も増えている。
そのひとつが滋賀県の米原駅~木之本駅間を結ぶSL北びわこ号である。
SL北びわこ号は米原駅を後にすると、伊吹山を東に望む琵琶湖畔を北上していく。姉川や小谷城跡など戦国武将の夢の跡が点在する山々に汽笛を響かせ、河毛駅を過ぎると窓外には、畑一面がまるで白い絨毯のような風景が広がった。
蕎麦の花畑である。白い花弁をつけた可憐な蕎麦の花々が畑一面。その風景を見下ろしながら、SLは煙を吐きながら力強く走り過ぎ去っていった。
新しく利便性の高いものが重宝される時代、古いものは時代とともになくなっていくが、心のどこかに大切にしまっておきたいと思った。
新緑が美しい季節になった。若葉がいっせいに芽吹き、生命力にあふれる季節。白川郷には、江戸時代築の建築物を中心に、古い茅葺き屋根の家屋が一帯に立ち並ぶ集落。
合掌造りと呼ばれる手を重ねたようなその急こう配の屋根の形状も独特。その昔ながらの風景を今に残している白川郷は、ユネスコの世界文化遺産にも登録されている。
「湯郷温泉の風景」(大山展望台にて/岡山県・美作市
絵画と文 井上晴雄
岡山の湯郷温泉は静かな山あいにひっそり湯けむりを立てている温泉地である。その起源は古く平安時代、円仁法師が西国巡礼の折に、白鷺が足の傷を温泉で癒しているのを発見したことに由来する。
それから1200余年の年月が流れ、現在は界隈に12軒の温泉宿が点在し、旬の素材をつかった会席料理や「美肌づくりの湯」と称されるしっとりした温泉で人気を集めている。
温泉街の北部は「健康リゾート」として注目されているエリア。サッカー、ラグビー、ゴルフ、テニスなど、1年を通してさまざまなスポーツを楽しめる設備も整っている。
湯郷温泉は豊かな自然に囲まれており、桜、紅葉、雪景色など巡る四季の変遷に応じて旅人に訪れるたびの感動を与えてくれる。
(「湯郷温泉の風景」 絵と文 井上晴雄) ※当絵画は平成26年、湯郷温泉観光案内所 に寄贈しました
「懐かしの片上鉄道」 岡山県久米郡美咲町(旧柵原町)
絵画と文 井上晴雄
大正年間、片上鉄道が開業。瀬戸内海に面する、備前市の片上駅と、山間部にある柵原駅間の約34kmを結び、活躍していた。終点の柵原には鉱山があり、採れた硫化鉄鉱を運搬する役割も担っていた。 しかし、昭和から平成の世となり、鉱山の産出量が減ったことや、沿線で過疎化が進んだことなど、さまざまな要因が重なり、惜しまれながらも、1991年に廃線となった。片上鉄道が線路から姿を消してから、もう20年近い年月が経つ。当時、この車両が、たくさんの人や鉱石を乗せて行き来していた姿を想像すると、何とも言葉にできない気持ちになった。絵描きができることはごく限られている。ただ、せめて、その歴史の痕跡を僅かでも、残させていただきたいと思い、筆を執った。 (2010年8月制作/「懐かしの片上電鉄」/岡山県久米郡美咲町(旧柵原町)/風景画/水彩/作品 絵画(風景画)と文 井上晴雄)
※現在、岡山県久米郡美咲町(旧柵原町)にある、柵原ふれあい鉱山公園内に、片上鉄道の車両が保存されている。
■中国地方の観光情報
高くそびえる黒潮の向こうから 輝く朝陽が差し込んだ
人生は一度きり
過ぎゆく一日一日に感謝して
一分一秒 大切に過ごしたい
「黒潮の夜明け」絵画と文:井上晴雄。
季節は初冬。私は南国に向かうフェリーに揺られて
いた。寒々とした突風が甲板に吹きつけ、船は、
海のなかに今にも飲み込まれるかのように揺れていた。
どこまでも深い暗闇に激しい水しぶきが立ちあがり、
身震いがした。ただ、そのときを待った。
明朝、東の空がかすかに藍色に染まってきた。
そのときだった。水平線上から、突然、光が射し込んだ
まばゆいばかりの朝陽は、またたく間に空気を溶かし、天空を錦色に
染めあげた。うねる波はくっきりと姿を現わし、滑らか
にキラキラと輝きはじめた。待ちに待った朝がやって
きたのだ。
人生には 絶望の縁に立たされることもある。辛さや
悲しさに打ちひしがれることもある。しかしそんなとき
も、舵をこぎづつけ、ときを待てば 必ず陽は上がって
くる。明るい夜明けは、必ずやってくる。
(作品 絵と文:井上晴雄./F8号/2007年6月制作/絵画 海のある風景)
▼作品(絵画)の目次 ①[北海道] ②[東北] ③[甲信越] ④[関東] ④[関東]Ⅱ ④[関東]Ⅲ ⑤[東海]Ⅱ ⑤[東海] ⑥[北陸] ⑦[近畿]Ⅰ ⑦[近畿]Ⅱ ⑦[近畿]Ⅲ ⑦[近畿]Ⅳ ⑦[近畿]Ⅴ ⑧[山陽] ⑧[山陽]Ⅱ ⑨[山陰] ⑩[四国] ⑪[瀬戸内海] ⑪[瀬戸内海]Ⅱ_ ⑫[九州] ⑬「その他2」 ⑬「その他」 ⑭テレコムセンター ⑭テレコムセンターⅡ ⑭テレコムセンターⅢ ⑮温泉 ⑮温泉Ⅱ ⑯美作 ■JR武豊線 ■radio ■「その他」 ■「夕陽Ⅳ ■「夕陽」Ⅰ ■「夕陽」Ⅱ ■「夕陽」Ⅲ ■「夜景」Ⅰ ■「夜景」Ⅱ ■「夜景」Ⅲ ■「夜景」Ⅳ ■「大地」 ■「山] ■「山]Ⅱ ■「川」 ■「川」Ⅱ ■「建築物」 ■「建築物」Ⅱ ■「建築物」Ⅲ ■「朝陽」Ⅰ ■「朝陽」Ⅱ ■「朝陽」Ⅲ_ ■「樹木」 ■「樹木」Ⅱ ■「海」 ■「海」② ■「海」③ ■「湖沼」 ■「漁村」 ■「空」Ⅱ ■「空」 ■「花」 ■「花」Ⅱ ■「花火」 ■「花火」Ⅱ_ ■「農村」 ■「農村」② ■「農村」③ ■「鉄道」 ■「離島」 ■「鳥昆虫」 ■山Ⅲ ■(その他2) ■(その他2)Ⅱ ◇TOPページ ◇「初冬」 ◇「初夏」 ◇「初夏」Ⅱ_ ◇「初夏」Ⅲ_ ◇「初春」Ⅱ ◇「初春」 ◇「初秋」Ⅱ ◇「初秋」 ◇井上晴雄 略歴 ◇個展情報 ◇季節なし ◇季節なしⅡ ◇晩冬 ◇晩冬Ⅱ ◇晩夏 ◇晩春 ◇晩秋 ◇黒豆ラングドシャ 「スポーツ報知」 連載コラム 「スポーツ報知」 連載コラムⅡ 「北海道新聞」にて 「旅の眼」 連載記事 「旅行作家」 表紙連載 「BC札幌」 連載記事 「BC札幌」 連載記事Ⅱ お客様の感想 なつかしの泉北ニュータウン 展示情報 目次/観光情報