四日市の工場夜景と花火
「四日市の工場夜景と花火」
「眠らない街」とも称される三重県四日市市。近代日本の産業を形づくる拠点のひとつとして、昭和年代には国内初の大型石油化学コンビナートが沿岸部につくられた。製油所、大型タンク、発電所、工場群などダイナミックなコンビナートの夜景が、霞ヶ浦緑地公園から海を隔てて広がっているのが見えた。
日が暮れると、その夜景は次第に光量を増していく。そして、四日市港の方角に色とりどりの花火が咲いていった。一瞬のうちに広がり無数の火花を散らしながら海に落ちていく。その光も海面に映し出され、幻想的にゆらゆらと揺らめいていたのが印象に残った。
四日市花火大会の花火が四日市港のこの海上から打ち上がるのは2022年が最後で、来年より打ち上げ場所が変更になるそうだ。それだけに、なおさら、この夜景を絵に残しておきたいと思った。
(「四日市の工場夜景と花火」F10号水彩・2022年制作/絵と文 井上晴雄)
















