絵画「金沢城の雪景色」
「美山かやぶきの里の雪景色」
絵と文 井上晴雄
京都府南丹市美山町知井地区に北集落という集落がある。現代では珍しくなった茅葺き屋根を構えた民家が、山麓の傾斜地に連なる。
美山は京の都と若狭をつなぐ鯖街道のほぼ中間に位置したことから、中世には物資や人が行き来していた。茅葺き屋根を構える民家群の建築様式もその影響を受け、丈の高い入母屋造の屋根が特徴的。その多くは江戸時代中期~末期に建てられたものだと伝えられる。
現在は、、民家群のほか民俗資料館や民宿なども含め茅葺き屋根を構えた建築物38棟が現存。水田や山林を含む集落全体(127.5ha)が国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されている。
1月下旬から2月初旬にかけて現地では「かやぶきの里 雪灯廊」と呼ばれるイベントが催され、茅葺き屋根の民家群がライトアップ。花灯篭によるやさしいあかりが風景に華を添えていた。
日本の原風景ともいえる、茅葺き屋根の民家が連なる里山風景。心を和ませてくれるゆったりした時の流れを味わっていると、天空からボタン雪が舞いはじめ視界を白く染めていきった。
(美山かやぶきの里の雪景色 絵と文 井上晴雄)
「千歳・支笏湖氷濤まつり」
絵と文 井上晴雄
千歳市の南西部に広がる、日本屈指の高い透明度を誇る湖、支笏湖。「日本最北の不凍湖」としても知られる淡水湖である。その澄んだ湖水は淡いブルーを帯びていることから「ナチュラルブルー」とも称される。
支笏湖の湖畔では、毎年1月下旬から2月中旬にかけて、支笏湖の湖水を凍らせた氷像群による光と氷の祭典「千歳・支笏湖氷濤まつり」が開催される。「千歳・支笏湖氷濤まつり」の会場となる支笏湖の湖畔へは、千歳市街から道央道を16号経由で西へ30kmほど。
「千歳・支笏湖氷濤まつり」の会場に訪れた日、白樺やエゾマツの林を縫い支笏湖畔にたどり着いた頃には、辺りはすっかり夕闇に包まれていた。薄暗がりを抜けていくとその先に、色とりどりの光に輝く巨大な氷像群が目に飛び込んできた。
黄色、ピンク色、水色・・色鮮やかな光が、透きとおった氷のモニュメントに投射され、やさしく光り輝いている。そのなんともいえないメルヘンチックな光景はあまりに美しく、底冷えする寒さも忘れしまうほどだった。
「千歳・支笏湖氷濤まつり」の会場に並ぶ氷像群は前年11月よりその骨組みがつくられる。12月になると、スプリンクラーを使って支笏湖の湖水をそれらに吹きつけ凍らせていく作業が行われる。その丹念な作業の繰り返しにより、巨大な氷像群が形づくられていくのだ。
「千歳・支笏湖氷濤まつり」の会期中、完成した氷像群は、昼は淡いブルーに輝き、日が暮れると芸術性を感じさせる幻想的なムードで来場者を迎えてくれる。その美しい光景に見とれているうちに、天空からはしんしんと雪がやさしく舞いはじめた。
2015年「千歳・支笏湖氷濤まつり」DATA
(2015年の会期)2015年1/30日~2/22日
(楽天トラベル)支笏湖温泉の旅館・ホテル一覧
※当絵画は、2014年、千歳観光連盟に寄贈しました
「飛騨の温泉宿」 (岐阜県飛騨古川) 絵と文 井上晴雄
底冷えしたある日の朝、JR高山本線の列車に乗り、岐阜県北部の飛騨古川に足をのばすと、まちは雪のなかにすっぽり埋もれていた。飛騨古川は、「飛騨の小京都」とも称される城下町。飛騨の匠の技が息づき、出格子の商家や、白壁土蔵の造り酒屋がひさしを連ねる。
湯宿を探し歩いているうちに、粉雪は、いつしか牡丹雪へと変わり、それらを再び、やさしい冬色のなかに包み込んでいった。
■地図(岐阜県 飛騨古川)・・飛騨古川は、岐阜県北部にある城下町。「飛騨の小京都」と呼ばれ、出格子窓の商家や土蔵などがまちの随所に見られる。名古屋方面からなら特急「ワイドビューひだ」が便利 毎年4月に飛騨古川では、古川祭が催される
■料亭旅館 八ツ三館・・安政年間の創業。JR飛騨古川駅から徒歩7分。2007年に建物のうち3棟が「有形文化財」に登録されている。飛騨牛や自家農園の野菜をふんだんに使った懐石料理が自慢。映画“あゝ野麦峠”“ゼロの焦点”ゆかりの宿。JR飛騨古川駅から徒歩約7分
雪国の旅情に誘われ、飛騨の谷あいに足を運んだ。JR高山本線の列車はゴトゴトとレールを軋ませ、宮川に沿う山坂道をのんびり北上していく。山峡の樹林をいくつも縫っていくと、さびれた線路の向こうに、雪に埋もれる小さな集落があらわれた。田畑も家々も細い路地もみな、真白な雪のなか。鈍色に煙る空の下には、山々の稜線がうす紫色に重なり、やわらかな陽の光が、雪の白を浮き立たせている。天空からは、ボタン雪が静かに舞いおり、ただやさしく、まちに降り積もっていった。
「函館の夜景」 (北海道 函館市)
<絵画と文 井上晴雄
ロープウェイが高度を上げるととともに、木々の隙間からこぼれる市街地の灯りが、キラキラとまたたきはじめた。 函館 ならではの、扇状の地形があらわれたかと思うと、それは、ダイヤモンドを散りばめたような光の渦となって、ドラマチックに広がっていった。あまりの美しさに、思わず息を呑んだ。
函館は、北海道の南西部に位置する、落ち着いた雰囲気の港町。かつて、本州や海外からの船が、頻繁に入港して栄えたといわれている。幕末の函館港開港時には、各国の商船が来航したほか、明治41年(1908年)からは、青森より青函連絡船が入港して北海道の玄関口としての機能も果たした。当時、函館の空に、重厚な汽笛がこだまさない日はなかったという。 それから80年経った昭和63年(1988年)のこと。青函トンネルの開業に伴って、青函連絡船は、その役目を終えて、津軽海峡から姿を消した。以降、函館は次第に、歴史情緒の漂う閑静なまちへと変化していくことになる。
時代が流れるとともに、街並みや人も変わっていく。それは、寂しいことかもしれない。ただ、長い歴史が紡ぎだした「まちの明かり」というものは、いつの時代も、何とあたたかく、美しいことか。そこには、「人々が生きた証」が刻まれているように思う。静かにきらめ函館の市街地を俯瞰しているうちに、私も一生をかけて、まちを美しく彩る、ひとつのやさしい光になりたいと思った。
※ 函館は、香港 、ナポリと並ぶ「世界三大夜景」のひとつ →地図(北海道 函館)
(絵画と文:井上晴雄/2008年1月制作/日本の風景/日本) ※当絵画は2015年、寿スピリッツグループに寄贈しました
井上晴雄の絵画を使った銘菓「黒豆ラングドシャ」好評発売中です
井上晴雄の絵画「黒豆畑と青空」が 、チョコレート菓子「黒豆ラングドシャ」のパッケージになりました。黒豆の粉をまぶしたビスケット風の生地に、ほんのり甘いミルクチョコレートが入っているお菓子です。
お菓子のフタを開けたら、内パッケージに印刷されている当絵画が現れるようになっています。黒豆畑の風景を描いた絵画を眺めながら、お菓子の美味しさをゆっくりと味わっていただければという、思いを込めています。
以下、「黒豆ラングドシャ」を販売している実店舗です(2013年7月現在)
・荒湯観光センター(新温泉町 土産屋) ・株式会社井筒屋(新温泉町・旅館) ・株式会社朝野屋(新温泉町・旅館) ・但馬牧場公園(新温泉町・施設) ・ハートイン福知山(京都府福知山市・キヨスク) ・株式会社ドライブインやくの(京都府福知山市・ドライブイン) ・株式会社フレッシュあさご(兵庫県朝来市・道の駅) ・株式会社HOTEL KOSHO(兵庫県豊岡市・ホテル) ・ドライブインやまがた屋(京都府・ドライブイン)
(以上 敬称略)
▼作品(絵画)の目次 ①[北海道] ②[東北] ③[甲信越] ④[関東] ④[関東]Ⅱ ④[関東]Ⅲ ⑤[東海]Ⅱ ⑤[東海] ⑥[北陸] ⑦[近畿]Ⅰ ⑦[近畿]Ⅱ ⑦[近畿]Ⅲ ⑦[近畿]Ⅳ ⑦[近畿]Ⅴ ⑧[山陽] ⑧[山陽]Ⅱ ⑨[山陰] ⑩[四国] ⑪[瀬戸内海] ⑪[瀬戸内海]Ⅱ_ ⑫[九州] ⑬「その他2」 ⑬「その他」 ⑭テレコムセンター ⑭テレコムセンターⅡ ⑭テレコムセンターⅢ ⑮温泉 ⑮温泉Ⅱ ⑯美作 ■JR武豊線 ■radio ■「その他」 ■「夕陽Ⅳ ■「夕陽」Ⅰ ■「夕陽」Ⅱ ■「夕陽」Ⅲ ■「夜景」Ⅰ ■「夜景」Ⅱ ■「夜景」Ⅲ ■「夜景」Ⅳ ■「大地」 ■「山] ■「山]Ⅱ ■「川」 ■「川」Ⅱ ■「建築物」 ■「建築物」Ⅱ ■「建築物」Ⅲ ■「朝陽」Ⅰ ■「朝陽」Ⅱ ■「朝陽」Ⅲ_ ■「樹木」 ■「樹木」Ⅱ ■「海」 ■「海」② ■「海」③ ■「湖沼」 ■「漁村」 ■「空」Ⅱ ■「空」 ■「花」 ■「花」Ⅱ ■「花火」 ■「花火」Ⅱ_ ■「農村」 ■「農村」② ■「農村」③ ■「鉄道」 ■「離島」 ■「鳥昆虫」 ■山Ⅲ ■(その他2) ■(その他2)Ⅱ ◇TOPページ ◇「初冬」 ◇「初夏」 ◇「初夏」Ⅱ_ ◇「初夏」Ⅲ_ ◇「初春」Ⅱ ◇「初春」 ◇「初秋」Ⅱ ◇「初秋」 ◇井上晴雄 略歴 ◇個展情報 ◇季節なし ◇季節なしⅡ ◇晩冬 ◇晩冬Ⅱ ◇晩夏 ◇晩春 ◇晩秋 ◇黒豆ラングドシャ 「スポーツ報知」 連載コラム 「スポーツ報知」 連載コラムⅡ 「北海道新聞」にて 「旅の眼」 連載記事 「旅行作家」 表紙連載 「BC札幌」 連載記事 「BC札幌」 連載記事Ⅱ お客様の感想 なつかしの泉北ニュータウン 展示情報 目次/観光情報