「御船ヶ丘梅林の風景」(佐賀県武雄市)
「津山 鶴山公園の桜」
絵画と文 井上晴雄
兵庫県と鳥取県との県境に近い、ちいさな農村に訪れた。雪に閉ざされていた野山は、いつしか春の光景に様変わりしていた。畦道には、菜の花やレンゲソウが可憐に咲き乱れ、小川からは、軽やかな瀬音が聞こえてくる。
小径を歩いていくと、明るい段々畑が広がった。そこには、おばあさんたちが、農作業に勤しむ姿があった。まるで春の到来を全身で喜ぶようかのように、懸命に田畑を耕し種を蒔いている姿が印象に残った。ここから米などの農作物が育っていくのだ。
季節は、毎年、正確に巡ってくる。春になると若葉が芽吹き、夏になると、入道雲が湧きあがる。一見すると、ごく当たり前のことかもしれない。ただ、ふと立ち止まってみると、その平凡なことが至極、奇跡的でありがたいことに思えてならない。
(「春先の農村風景」/播磨/自然/農村の風景/画像/絵画と文:井上晴雄./国内旅行/日本の風景/風景絵画)
「温泉津温泉の夕暮れ(島根県)」 (島根県 大田市) 絵と文:井上晴雄
穏やかな入り江の奥につづく道を進んでいくと、古びた温泉街が現れた。道の両脇には、石州瓦の和風旅館や、なまこ壁の土蔵が軒を連ねている。 温泉津温泉 は島根県 西部に湧き、1300年前より湯治場として親しまれてきた温泉地である。江戸時代は、 大森(石見)銀山 で働く人々の心身を癒し、銀山が閉山したあとは、その当時の歴史を封じ込めるように古い町並みと温泉が残された。
温泉街の中心には共同浴場の元湯がある。ガラガラと扉を開けると、3層に分かれた湯槽には、土色の湯(含土類食塩泉)が、溢れだしていた。湯槽の縁には、湯の花が堆積していて、その歴史の深みを感じさせる。保温効果の高い湯で、体の芯まで温まった。 湯あがり、裏山にのぼり、温泉津の温泉街を見下ろすと、まちは夕陽色に染まりはじめていた。黄昏の山々には湯けむりがはい、潮風の香りが心地いい。
(作品:F10号/「温泉津温泉の光景( 島根県 )」/絵と文 井上晴雄/C 報知新聞社)
「春の川」
絵画と文:井上晴雄。
「春の川」
数年ぶりに、このまちに訪ねた。かつて雪に覆われていた山々は、すっかり春の景色に様変わりしていた。澄みきった空からは、野鳥が遊ぶ声が聞こえてくる。
里山の小径を辿っていくと、風のそよぎのなかに、太陽のようにまぶしく咲き誇る、菜の花の畑があらわれた。中央には、清らかな川が、水飛沫をあげながら流れている。心地よい瀬音とともに、降り注ぐ春陽光に包まれる。うっとりとしているうちに、はっと我に返った。
いつしか、都会で休まずに日々を送っているうちに、私はこの春の到来にさえ気がついていなかったのだ。知らないうちに、冬は過ぎ去っていた。
自然が教えてくれた、この美しい春の光景を綴っておこう。そう思い、筆をとった。
(井上晴雄 絵画 作品集/2008年 4月制作/兵庫県/国内旅行/F10号/絵画と文/旅/旅行)
井上晴雄の絵画を使った銘菓「黒豆ラングドシャ」好評発売中です
井上晴雄の絵画「黒豆畑と青空」が 、チョコレート菓子「黒豆ラングドシャ」のパッケージになりました。黒豆の粉をまぶしたビスケット風の生地に、ほんのり甘いミルクチョコレートが入っているお菓子です。
お菓子のフタを開けたら、内パッケージに印刷されている当絵画が現れるようになっています。黒豆畑の風景を描いた絵画を眺めながら、お菓子の美味しさをゆっくりと味わっていただければという、思いを込めています。
以下、「黒豆ラングドシャ」を販売している実店舗です(2013年7月現在)
・荒湯観光センター(新温泉町 土産屋) ・株式会社井筒屋(新温泉町・旅館) ・株式会社朝野屋(新温泉町・旅館) ・但馬牧場公園(新温泉町・施設) ・ハートイン福知山(京都府福知山市・キヨスク) ・株式会社ドライブインやくの(京都府福知山市・ドライブイン) ・株式会社フレッシュあさご(兵庫県朝来市・道の駅) ・株式会社HOTEL KOSHO(兵庫県豊岡市・ホテル) ・ドライブインやまがた屋(京都府・ドライブイン)
(以上 敬称略)
▼作品(絵画)の目次 ①[北海道] ②[東北] ③[甲信越] ④[関東] ④[関東]Ⅱ ④[関東]Ⅲ ⑤[東海]Ⅱ ⑤[東海] ⑥[北陸] ⑦[近畿]Ⅰ ⑦[近畿]Ⅱ ⑦[近畿]Ⅲ ⑦[近畿]Ⅳ ⑦[近畿]Ⅴ ⑧[山陽] ⑧[山陽]Ⅱ ⑨[山陰] ⑩[四国] ⑪[瀬戸内海] ⑪[瀬戸内海]Ⅱ_ ⑫[九州] ⑬「その他2」 ⑬「その他」 ⑭テレコムセンター ⑭テレコムセンターⅡ ⑭テレコムセンターⅢ ⑮温泉 ⑮温泉Ⅱ ⑯美作 ■JR武豊線 ■radio ■「その他」 ■「夕陽Ⅳ ■「夕陽」Ⅰ ■「夕陽」Ⅱ ■「夕陽」Ⅲ ■「夜景」Ⅰ ■「夜景」Ⅱ ■「夜景」Ⅲ ■「夜景」Ⅳ ■「大地」 ■「山] ■「山]Ⅱ ■「川」 ■「川」Ⅱ ■「建築物」 ■「建築物」Ⅱ ■「建築物」Ⅲ ■「朝陽」Ⅰ ■「朝陽」Ⅱ ■「朝陽」Ⅲ_ ■「樹木」 ■「樹木」Ⅱ ■「海」 ■「海」② ■「海」③ ■「湖沼」 ■「漁村」 ■「空」Ⅱ ■「空」 ■「花」 ■「花」Ⅱ ■「花火」 ■「花火」Ⅱ_ ■「農村」 ■「農村」② ■「農村」③ ■「鉄道」 ■「離島」 ■「鳥昆虫」 ■山Ⅲ ■(その他2) ■(その他2)Ⅱ ◇TOPページ ◇「初冬」 ◇「初夏」 ◇「初夏」Ⅱ_ ◇「初夏」Ⅲ_ ◇「初春」Ⅱ ◇「初春」 ◇「初秋」Ⅱ ◇「初秋」 ◇井上晴雄 略歴 ◇個展情報 ◇季節なし ◇季節なしⅡ ◇晩冬 ◇晩冬Ⅱ ◇晩夏 ◇晩春 ◇晩秋 ◇黒豆ラングドシャ 「スポーツ報知」 連載コラム 「スポーツ報知」 連載コラムⅡ 「北海道新聞」にて 「旅の眼」 連載記事 「旅行作家」 表紙連載 「BC札幌」 連載記事 「BC札幌」 連載記事Ⅱ お客様の感想 なつかしの泉北ニュータウン 展示情報 目次/観光情報