絵画「宿毛湾の夕暮れ」

「宿毛湾の夕暮れ」 絵と文 井上晴雄

 

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高知県西南部を走る土佐くろしお鉄道。終点の宿毛駅で列車を降り、西へ30分ほど歩を進めると、ちいさな港町が広がった。宿毛湾には昔ながらの養殖棚や漁船が連なっている。


夕陽を観ようと、大島の外周にのびる小径をぐるりと歩いていくと、西陽が赤々と道を照らしはじめた。岬の上に数羽の海鳥が舞いシルエットになって消えていく。


神社や雑木林を過ぎ、道が途切れたとき、目の前には太平洋が広がった。浜辺に打ち寄せる波が金色に輝いている。空には雄大な夕焼雲が流れ、何ともいえない平和で穏やかなひとときが過ぎていった。


木々の葉や枝が茜色に染まり、夕風が通いはじめると、多くの色彩は深い木立に吸い込まれ、太陽はだるま状になって水平線に沈んでいった。

(2022年制作/F12号水彩/絵と文 井上晴雄)

絵画「笹川流れの夕景」

 

絵画「笹川流れの夕景」

新潟県村上市にある「笹川流れ」は 鳥越山から狐崎にかけて続く約11kmの海岸である。日本海の荒波が削りとった奇岩怪石や岩礁が見事な景勝地で、その海域は、屈指の透明度を誇ることでも知られる。

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JR羽越本線桑川駅を降りると潮騒の音が聞こえ、視界の先に日本海が広がっているのが見えた。雲の切れ間から西陽が差し込んだかと思うと、無数の色彩が乱舞しながら、きらびやかに海面を染めていく。沖に浮かぶ粟島が光の中に霞みゆき、そして、太陽は静かに水平線に沈んでいった。

あっという間の出来事だったが、そこには悠々と流れる時の流れと自然のやさしさを見たような気がした。

(F10号水彩画 2021年制作「笹川流れの夕景」絵と文:井上晴雄)

 

 

絵画「夕陽ヶ浦海岸の夕陽」

「夕日ヶ浦海岸の夕陽」

 

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京都府北部に位置する丹後半島は天女の羽衣伝説はじめ、歴史と伝承が織りなす地。海と山に囲まれ、神の箱庭とも称される一帯を歩くと何かに守られているような感覚さえ覚える。

 

京丹後市網野町には約6kmにわたりつづく夕日ヶ浦海岸という海岸がある。白砂青松の海岸で、日本の夕陽百選にも選ばれる夕陽の名所としても知られている。

 

紺碧の海は太陽が水平線に近づくにつれ、ゆっくりとオレンジ色に染まっていく。日本海の荒々しいイメージとは打って変わって穏やかで、まるで時が止まったかのよう。

 

黄金色に輝く海。その光が上空の雲にも反射して神秘的な夕景をつくりだしていった。

 

(F12号水彩「夕陽ヶ浦海岸の夕陽」絵と文 井上晴雄)

Tango Peninsula, located in the northern part of Kyoto Prefecture, is a place that is woven by history and traditions, including the legend of Hagoromo of the Tenme. Surrounded by the sea and mountains, you can even feel as if you are protected by something as you walk around the area called God's miniature garden. In Amino-cho, Kyotango City, there is a coast called Yuhigaura Beach that extends for about 6 km. It is also known as a famous spot for the sunset, which is one of the 100 best sunsets in Japan on the coast of the white sand and green pine trees. The azure sea slowly becomes orange as the sun approaches the horizon. It's calm compared to the rough image of the Sea of ​​Japan, it feels like time has stopped. The golden sea. The light reflected the clouds in the sky and created a mysterious evening scene.

絵画「糸島の夕景」(福岡県)

当絵画は、福岡県糸島市の海岸を描いた一枚である。糸島市は福岡市の中心部から西に 20 ㎞ほど。樹木がうねるちいさな農村地帯を抜けると、目の前には広々とした玄界灘が広がった。

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 「糸島の夕景」



海岸線に沿って「志摩サンセットロード」と呼ばれる夕日の名所として知れる道が 33 ㎞にわたりのびており、長い浜辺にはゆったりと波が打ち寄せていた

夕方になると、キラキラ光る海はオレンジ色に染まっていった。浜辺にごろごろ転がる岩がシルエットになり無数の色彩が乱舞しはじめる。

夕映えが浜辺を包むとともに海岸線の風景は刻一刻と変化していく。潮の流れ、波の音、陽のあたたかさ、水や空の色・・その変化に富んだうつくしい夕暮れの風景に心打たれた。 

何万年という長い歴史のなかで、日が昇り沈みゆくことが、幾度となく繰りかえされてきた。しかし、そのなかで同じ一瞬というものは一度もなかったはずだ。そしてその一瞬一瞬のなかに輝きがあったように思う。

私たち人間も同じかもしれない。刻一刻と変化するときを大切に、そこに感動を探しながら生きていくこと。それが生き生きとした毎日につながるのかもしれない。

    (絵画「糸島の夕景」F15号 水彩画 /2019年 井上晴雄 作)

フランス ル・サロン展2019入選作品「ヒスイ海岸の夕景」

フランス ル・サロン展2019入選作品「ヒスイ海岸の夕景」

 

 

                  絵と文 井上晴雄

 

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(「ヒスイ海岸の夕陽」|フランス「ル.サロン展(Le salon)2019年」入選作)

 

 

 

(作品説明)

 

 

白馬岳や朝日岳など北アルプスの山々を南に望む「ヒスイ海岸」は、東西四キロにわたってつづく砂利浜の海岸である。薄紫色、飴色、青丹色、薄緑色・・浜辺にはさまざまな色彩の小石が無数に散らばっている。そのなかには、古代より宝石として重宝されてきたヒスイの原石も混在。 静かに打ち寄せる波そのやさしい潮騒の音色を聴きながらヒスイ海岸の浜辺でたたずんでいると、透きとおった海面は次第に光り輝きはじめた。さざ波が海岸(線を洗うたび、浜辺に散らばる小石たちも西陽を受けてキラキラきらめいている。何もかもが夕日色に包まれる幸せなひととき。

 

 

 

"Sunset on the Jade Coast" | France "Le Salon Exhibition (Le salon) 2019" Selected Work)
(Explanation of works)
The "Jade Coast" wishing south of the mountains of the Northern Alps such as Hakuba-dake and Asahi-dake is a coast of gravel beaches that runs along the east-west four kilometers. Light purple, candy, blue tint, light green · · Numerous pebbles of various colors are scattered on the beach. Among them are rough stones of jade that have been useful as jewels since ancient times. Quietly striking waves When listening to the tone of its gentle tidal wave and standing on the beach on the Jade Coast, the clear water surface gradually began to shine. Every time the ripples wash the coastline, the pebbles scattered on the beach are sparkling glittering after receiving Xiyang. A happy moment when everything is surrounded by sunset color.

 

 

<ルサロン2019のご案内>

 

 

 

 

ルサロン(Le salon)は1667年にルイ14世の提言により創設された世界最古の国際公募展。モネ、ミレー、セザンヌ、ルノワールらが活躍した歴史もあります。2019年もフランス芸術家協会の主催でフランスパリにある「グラン・パレ」で2月12日~2月17日に開催されます。私(井上晴雄)も入選作を1点出品いたします。

 

 

 

 

 

<2019年会期

 

 

 

2/13(水) 11:00〜20:00

 

2/14(木)  11:00〜22:00

 

2/15(金)  11:00〜20:00

 

2/16(土)  11:00〜22:00

 

2/17(日)  11:00〜20:00

 

 

 

 

入場券1.6€ ※私の作品は「13D」というブースにあります

 

 

 

 

会場グラン・パレ(Grand Palais)

 

 

 

 

住所:Avenue Franklin Roosevelt 75008 Paris, FRANCE

 

最寄駅:シャンゼリゼ・クレマンソー (Champs-Élysées - Clemenceau )

 

 

 

絵画「夕陽に染まる日生の町並みと日生港」 絵と文 井上晴雄

「夕陽に染まる日生の町並みと日生港」 
                                      絵と文 井上晴雄
海に面した瀬戸内地方には夕陽がきれいな地が点在している。
岡山県南東部に位置する岡山県備前市日生もそのひとつ。
日生(ひなせ)という地名は山道から朝陽が美しく見えたという日那志という旧地名に由来していると伝えられている。
岡山県備前市日生に訪れたのは、木々がほんのり秋色に染まりはじめた日。JR山陽本線からJR赤穂線を乗りつぎ20分ほど電車に揺られると、車窓に海が見えてきて日生駅に到着。
日生は日生千軒漁師の町とも称された漁業のまち。牡蠣はじめ魚介類の水揚げが多いことで知られる。港からは小豆島や日生諸島へ向かうフェリーも出港している。
「みなとの見える丘公園からの景色がきれいですよ」
そんな話を観光協会の方から聞いて港の近くに立つ楯越山(たてごえやま)の山頂にある「みなとの見える丘公園」へ向かった。
鬱蒼と生い茂る木々に囲まれた楯越山の遊歩道。山体を巡るようにカーブを描いて延びている。30分ほど登るとアスファルトの道が途切れた。
そこから急な石段をかけ上がると視界がひらけ、空と山々が夕焼け色に染まっているのが見えた。

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潮風に揺れる木々が夕陽を受け、ルビーのように輝きその先に備前市日生町の町並みと港の風景が広がっていた。
すべてを包み込んでくれるようなやさしい光。それを全身で受けながら、ここまで登ってきてよかったなあと思った。
  (夕日に染まる日生の町並み|岡山県備前市日生町| 絵と文 井上晴雄)

絵画「屋島山上からの夕陽と瀬戸内海の島々」

「屋島山上からの夕陽と瀬戸内海の島々」

                                  絵と文 井上晴雄

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屋島は香川県北東部に位置する標高292mの半島形溶岩台地。江戸時代までは海に浮かぶ島だったが、その後に埋め立てが行われ、現在は陸続きの島になった。800年ほど前の源平合戦の舞台としても知られている。

屋島の山上へは、琴電屋島駅またはJR屋島駅からのシャトルバスなどでアクセスすることができる。山上には遊歩道がのび、新屋島水族館や四国88ヵ所札所の屋島寺、史跡の数々などさまざまな見所がある。

山上からの眺めは格別。獅子の霊厳展望台からは高松市街地や瀬戸内海に散らばる島々の多島美を楽しむことができる。夕方になると、木々のシルエットの向こうに広がる瀬戸内海が橙色に染まりはじめた。穏やかな海面はキラキラ輝き、時折漁船がゆっくり船尾を引きながら過ぎていくさまも趣がある。光を受けて万物はその形が次第になくなっていき、日は瀬戸内海の島々の向こうにゆっくり落ちていた。

              (「屋島山上からの夕陽と瀬戸内海の島々」絵画と文 井上晴雄 F10号)

絵画「中田島砂丘の夕陽」 絵と文 井上晴雄

絵画「中田島砂丘の夕陽」 絵と文 井上晴雄

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静岡県浜松市の南部に広がる東西4km南北600mの中田島砂丘。
潮騒が静かにこだまする砂丘の夕暮れどき。太陽が西に傾くにつれ、遠州灘の海面はキラキラと輝きはじめた。さまざまな色彩の光が天空を乱舞し、砂丘をやさしく包み込んでいく。海鳥の群れが上空をゆっくり過ぎその光のなかに溶け込んでいった。
あたたかい陽の光を受けながら、どこかで感じたようなこの幸せなひとときがいつまでもつづいて欲しいと感じた夕暮れどきだった。
                                  (「中田島の夕日」絵と文 井上晴雄)

絵画「越前岬の夕陽」

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越前海岸の夕暮れどき。日が西に傾くにつれ、穏やかに波打つ海面がきらきらと輝きはじめ、岩場がシルエットになりさまざまな色彩の光が躍りはじめた。あたたかい光が海岸を包み込んでいく。

絵画「夕暮れのお台場をゆく 新交通システムゆりかもめ」

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夕暮れのお台場をゆく新交通システム「ゆりかもめ」
           (台場駅~船の科学館駅) 
 
    
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</div>         絵画と文 井上晴雄
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</div> 新交通システム「ゆりかもめ」台場駅の付近は、ホテルやテレビ局、大型商業施設が立ち並ぶ、お台場の中心的役割を成すエリア。地上23階の台場フロンティアビルをはじめとする現代的な高層ビルも林立している。
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</div>  お台場の起源は江戸時代に遡る。1853年、アメリカよりペリー率いる4隻の艦隊が日本に来航し、江戸幕府に開国を迫りました。幕府はそれに対抗しようと品川沖に11基の台場を建造。結局砲台は一度もつかわれることはなかったが、一帯の埋め立て工事は進められ、お台場の基盤がつくられた。
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</div> 1941年、東京港が開港。1976年には首都高速湾岸線東京港トンネルが開通した。さらに1993年にはレインボーブリッジによって芝浦と台場間が結ばれ、次第に近未来的なお台場の風景が形成されていった。
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</div><div> 夕暮れどき、お台場の高層建築群はやさしい陽の光に包まれていった。そのなかを、新交通システム「ゆりかもめ」の車両が、ゆっくりと進んでいく。まるで遠いあの日に迎えた夕暮れのような、お台場の心地よいひとときが過ぎていった。  
                              (「夕暮れのお台場をゆく新交通システムゆりかもめ」 絵と文 井上晴雄) ※当絵画は平成31年3月、テレコムセンタービルに寄贈しました。 
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その他のカテゴリー

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