絵画「岩座神の棚田」
「岩座神の棚田」 岩座神棚田は兵庫県中央部の多可郡多可町に広がる。JR加古川線の西脇市駅から路線バスに30分ほど揺られ、そこからさらに杉原川の支流・多田川に沿って坂道を上っていった。50分ほど歩くと民家もとだえ、眼下にはごつごつした岩間を清水が白く速く流れているのが見えた。しばらくすると視界に「岩座神」と書かれた標識があらわれた。
岩座神は「いさりがみ」と読む地名。集落の背後にそびえる標高1005mの千ヶ峰は仙ヶ峰とも称され、神が棲むと言い伝えられてきた。それに由来する「神おわす」ということばが「いわすわりかみ」となり「いさりがみ」という地名へと変化したといわれている。岩座神には「岩座神の七不思議」と呼ばれる言い伝えも残る。例えば、干ばつのときに雨乞岩踊りを奉納すれば必ず雨が降ると伝えられている「雨乞岩」、一本枯れても本数が減らない「三本竹」など。どれもミステリアスで想像がかき立てられる。
多田川のせせらぎの音を聴きながら深い杉木立のなかを歩き、峠を越えていくと、ちいさな集落が見えてきた。それが岩座神と呼ばれる集落だった。漆喰壁を持つ民家など20棟ほどが急峻な山斜面にしがみつき、中には茅葺き屋根の民家も見られる。民家群に寄りそうように棚田がいくつも連なり、黄金色に染まった稲穂が秋風に揺れていた。棚田の数は340枚にも及ぶ。その棚田においてとりわけ目を引くのは、棚田と棚田の間には何重にも積まれている石垣。2~3mの石垣で高いもので5mほどの高さにもなるという。
それらの石垣は鎌倉時代、急峻で農業に不向きとされた地で農業を営むため築かれたものだと伝えられている。千ヶ峰から流れる湧水を引き込み豊かな稲を実らせるとともに、雨水を一時的に貯めることから、地滑りや洪水から地を守る役割も担ってきたのだそうだ。厳しい自然と対峙しながら時代を経て受け継がれてきた人々の知恵の結晶が、この豊かな稲の実りと美しい棚田の風景につながっていることを知り感慨深く思った。
(「岩座神の棚田」F10号水彩画/絵と文 井上晴雄)
Rice terraces in Isarigami”
I drew a picture of a rice terrace The place is Iwaza Shrine Tanada. It is located in Taka-cho, Taka-gun in central Hyogo prefecture.From Nishiwaki-shi Station on the JR Kakogawa Line, I was swung by a local bus for about 30 minutes, and from there I went up the slope along the Tada River, a tributary of the Sugihara River. After walking for about 50 minutes, I found the private house, and I could see Shimizu flowing fast and white through the rugged rocks below. After a while, you could see a sign saying "Iwaza-jin" in your sight.
Isarigamiis a place name that reads "Isarigami". Sengamine, 1005m above sea level, stands behind the village and is also known as Sengamine, and it has been reported that God lives there. It is said that the word “God Owasu” derived from it became “Iwasari Kame” and changed its name to “Isarigami”. A legend called "Iwaza god's seven wonders" also remains in Iwaza god. For example, there is a rain beggar that is said to rain whenever you give a rain beggar dance during a drought, or a three-bamboo that keeps














