桜の木々と廃線した蒲原鉄道線の車両

「桜の木々と廃線した蒲原鉄道線の車両 」

 


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この絵画は、1990年代に日本の新潟県五泉市に走っていた鉄道車両と桜の木々を描いた作品である。

かつて、五泉市には、蒲原鉄道線という鉄道が走っていた。1923年に開業し、地元住民の足としてのほか、穀物や鉱石を運搬する役割も担っていたと伝えられている。ところが、過疎化による乗客の減少やマイカーの普及などにより、1999年に77年間にわたる鉄道としての役割を終えた。

桜の季節、私は蒲原鉄道線の廃線跡を訪ねて、五泉市に向かった私。五泉駅から路線バスに乗って30分ほど揺られると、村松城跡公園にたどり着く。

 

公園内には桜の花が華やかに咲き誇っていた。そして、その一角には、かつて活躍していた蒲原鉄道線の車両がひっそりと置かれていた。まるで、今にも動き出しそう。

 

公園の脇からは廃線跡が続いていた。廃線跡からレールは既に撤去されていたものの、ホーム跡や枕木が残されている地点も見られた。かつて鉄道が走っていた時代の風景を思い浮かべつつ、この絵画を制作した。

 

(「蒲原鉄道線と村松城跡の桜」2022年制作 F10号水彩 絵と文:井上晴雄)

絵画「琵琶湖の朝陽」

新年あけましておめでとうございます。旧年中は皆様には大変お世話になり、誠にありがとうございました。

今回は、琵琶湖の朝陽を描いた絵画です。穏やかな湖面には養殖棚も見られます。山の端から朝陽が昇るとともに、湖面はまぶしく輝きはじめます。野や山、湖など万物は無数の色彩に彩られ、明るい朝が到来しました。人々が安心して暮らせる空間の根幹ともなる調和を特に考えながら筆を進めました。
Img_9444 ご存じの通り、旧年は新型コロナウイルスの世界的流行という、人類にとって大変困難な年になりました。未だに着地点が見えず、医療問題、雇用問題、教育問題などさまざまな難題も噴出してきています。ただ、歴史を紐解いても、人類は試行錯誤をしながらさまざまな困難を乗り越え、次世代に安心できる空間や豊かさをもたらすものを数多く築いてきました。

2021年が始まりましたが、皆様に少しでも明るい光を感じていただけますよう、私自身も微力ながら、絵画制作はじめ励んでいければと思っております。新型コロナウイルス感染症の一日も早い収束と皆様の御健勝と御多幸を、心からお祈り申し上げます。本年もよろしくお願いします。(井上晴雄)

 

絵画「南阿蘇鉄道のトロッコ列車」

「南阿蘇鉄道のトロッコ列車」

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南阿蘇鉄道は、1985年に旧国鉄高森線を引継ぎ誕生した第三セクター鉄道である。阿蘇山を縫って走る壮大な車窓風景が美しいことで長らく人気を博してきた。

 

ところが2016年に起きた熊本震災で同線は被災。崖崩れによる線路崩壊や橋の崩落、トンネルへの土砂の流入などに見舞われ、全線不通になった。それから歳月を経て、現時点で中松駅〜高森駅間7.1kmが部分復旧している。立野駅〜中松駅間10.6kmは依然不通であるものの、2023年を目標に全線復旧を目指して工事が行われている。沿線に住む住民たちのためにも最後まであきらめない姿勢に力強さを感じ心打たれた。

 

3月末にもなると中松駅のホームは淡い春色に包まれる。駅舎に沿って並ぶ桜の木々にはほのかなピンク色をした花々が咲き誇り、人々の心をほころばせてくれる。
   (「南阿蘇鉄道のトロッコ列車」絵と文 井上晴雄/f10水彩)

綾部山梅林とお地蔵さんの風景

「綾部山梅林とお地蔵さんの風景」                     絵と文 井上晴雄

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うららかな春の訪れになった。兵庫県たつの市にある綾部山梅林である。 綾部山梅林は西日本随一の梅の名所として知られる観光スポットで、24haにも及ぶ広大な敷地内に、山裾を中心に2万本もの梅が植えられている。 路線バスを降りてゲートをくぐると、なだらかな傾斜地に満開の梅の花々が出迎えてくれた。 土産屋が立ち並ぶ一角を抜け坂道をのぼっていくと、木々の隙間からは、海や瀬戸内の島々も見えてくる。茶屋へ至る遊歩道の一角には、一体のちいさなお地蔵さんが立っていた。パンジーやスイセンの花が手前に植わり、その先には梅の花々が一面に広がっている。 お地蔵さんの表情が穏やかで、まるで春の訪れを楽しんでいるように見えた。

 由良川橋梁を渡り日本三景の天橋立へ ~京都丹後鉄道(丹鉄)でゆく列車旅~

「由良川橋梁を渡り日本三景の天橋立へ」~京都丹後鉄道(丹鉄)でゆく列車旅~(絵と文 井上晴雄)  

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 海と山に囲まれ、神代の物語が伝わる京都府北部エリアはロマンあふれる地だ。京都府北部エリアといえば、日本三景「天橋立」のある宮津市はじめ5市2町を圏域とする「海の京都観光圏」が国の認可を受け国内外から注目を集めている。同観光圏内の交通手段として大きな役割を担うのは京都丹後鉄道(丹鉄)だ。先日、そんな京都丹後鉄道宮舞線・宮豊線の普通列車に揺られ天橋立へ向かう旅に出た。

西舞鶴発豊岡行の気動車は、山々に挟まれた田園地帯をゴトゴト西へ走っていく。駅前の枝垂れ桜が美しい四所駅や「安寿の里駅」の愛称を持つ東雲駅に停まり、丹後神崎駅を出ると列車は山すそのカーブを舞い、第1の絶景ポイントである由良川橋梁に差し掛かる。由良川橋梁は大正13年に完成した全長552mの単線橋梁だ。一直線にのびる橋を進むにつれ、車窓いっぱいに由良川の川面が広がった。まるで海上を走っているようだ。

丹後由良駅から列車は海沿いに高台へ上がり第2の絶景ポイントである奈具海岸を右車窓の眼下に映しだす。紺碧の栗田湾と入り組んだ海岸線の構図が美しい。栗田駅からトンネルを抜けると宮津駅。江戸時代の風情香る市街地には宮津温泉ピント湯が湧き、「宮津温泉 料理旅館 茶六別館」はじめ名宿が並ぶ。宮津駅からひと駅行くと日本三景「天橋立」の最寄り駅である天橋立駅に到着する。

駅前から智恩寺の門前町を辿ると天橋立のたもとに出た。宮津湾と阿蘇海を分ける形で3.6kmに及ぶ砂嘴が一直線にのび、美しい白砂青松の風景が展開。かつて国生みの神である男神イザナギノミコトが女神イザナミノミコトのもとに通うため天上から梯子をかけ、それが倒れて天橋立になった・・。そんなロマンチックな神話が現地に伝わる。

 天橋立を歩いた後、天橋立運河の畔で湯けむりを立てる老舗温泉宿「文珠荘」に立ち寄った。天橋立の神話に思いを馳せながら、同宿の茶庭風露天風呂に浸かる。その澄んだやさしい湯は旅の疲れをゆっくり癒してくれた。

(由良川橋梁を渡り日本三景の天橋立へ ~京都丹後鉄道(丹鉄)でゆく列車旅~ 絵画と文 井上晴雄/『旅の眼123号』掲載

 

「ふるさとに咲く桜」 

    「ふるさとに咲く桜
                    絵と文 井上晴雄 

 

 

日本列島に桜前線が北上中である。どこか花見に出かけてみようと思い、先日、生まれ故郷に久しぶりに訪れた。

 

 

すると、小さいころよく歩いた桜並木に桜が花開き始めていた。可憐な花々を見上げながら人々がにこやかに過ごしている。そんな風景を見て心が温かくなった。

 

 

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桜といえば、小さい頃は、亡き母が毎日散歩に連れて行ってくれて、桜並木をくぐりながらいろいろな草花の名前を教えてくれたことを思い出す。

 

桜の木々は何も語らないが、そこには生命の躍動が溢れているのを感じとっていた。

 

じっと寒い冬を過ごし、毎年変わらず美しい花を咲かせている。子供心ながら、そんな桜のような大人になりたいなと思っていた。

 

そういった過ぎ去りし昔の出来事をなつかしく思い出しながら、枝に咲いている桜の花々を絵に描いた。

歳月が流れると、街並みも人も変わっていく。そこには寂しさもあるが、ふるさとの桜は当時と何変わらぬ姿でやさしく迎えてくれた。

 

やさしい陽が差す季節になると、桜の木々は、美しい花を咲かせ観る人々を笑顔にしてくれる。風が吹くたび、まるで光をこぼれ散らせるように、花吹雪が大地に舞い落ちていくさまにも趣がある。そこには、自然のはかなさとともに生命の力強い躍動感を感じずにはいられない。それは、桜の木々がじっと寒い冬を過ごしてきたからなのだろうか。

 

    (ふるさとに咲く桜」絵 井上晴雄)

 

 

平和の朝(絵画/湖沼の風景)

絵画「平和の朝」/朝の風景  
社会に 悠久の平和とたくさんの幸福が訪れますように


<※空を飛ぶ鳥:自由の象徴 向き合う二羽の鳥:友好と平和の象徴 輝く朝陽:明るい未来と発展の象徴 桃色の空:豊かさを呼ぶ色 亀、松:長寿と安定の象徴 鳥7羽と亀1=8 葦の草:澱みを浄化>(F10号  2007年8月制作/絵画/湖沼の風景)

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絵画「鳥の旅」(鳥のいる風景)  絵と文:井上晴雄

絵画「鳥の旅」/風景 どんなに苦しくても
 どんなに辛くても
 鳥ははばたきつづける

山の向こうに
光の島があると信じているから
 願いを持ち信を貫き通せば
どんな遠いところへも行けるはず
  鳥はそれを知っているから
  今日もはばたきつづける

(作品: F4号  2007年7月制作/絵と文:井上晴雄 鳥のいる風景)

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井上晴雄の絵画を使った銘菓「黒豆ラングドシャ」好評発売中です

井上晴雄の絵画を使った銘菓「黒豆ラングドシャ」好評発売中です

井上晴雄の絵画「黒豆畑と青空」が 、チョコレート菓子「黒豆ラングドシャ」のパッケージになりました。黒豆の粉をまぶしたビスケット風の生地に、ほんのり甘いミルクチョコレートが入っているお菓子です。

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お菓子のフタを開けたら、内パッケージに印刷されている当絵画が現れるようになっています。黒豆畑の風景を描いた絵画を眺めながら、お菓子の美味しさをゆっくりと味わっていただければという、思いを込めています。

以下、「黒豆ラングドシャ」を販売している実店舗です(2013年7月現在)





・荒湯観光センター(新温泉町 土産屋)
・株式会社井筒屋(新温泉町・旅館)
・株式会社朝野屋(新温泉町・旅館)
・但馬牧場公園(新温泉町・施設)
・ハートイン福知山(京都府福知山市・キヨスク)
・株式会社ドライブインやくの(京都府福知山市・ドライブイン)
・株式会社フレッシュあさご(兵庫県朝来市・道の駅)
・株式会社HOTEL KOSHO(兵庫県豊岡市・ホテル)
・ドライブインやまがた屋(京都府・ドライブイン)

   (以上 敬称略)

(販売元)但馬寿 遊月亭

絵画「山峡の道」 絵と文:井上晴雄



絵画「山峡の道」/風景

 幸せを探し続けたうす暗い山峡の道にも


   ちいさな春が 訪れていた
(絵画と文:井上晴雄./水彩画/F8号/2007年制作)

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