桜の木々と廃線した蒲原鉄道線の車両
「桜の木々と廃線した蒲原鉄道線の車両 」
この絵画は、1990年代に日本の新潟県五泉市に走っていた鉄道車両と桜の木々を描いた作品である。
かつて、五泉市には、蒲原鉄道線という鉄道が走っていた。1923年に開業し、地元住民の足としてのほか、穀物や鉱石を運搬する役割も担っていたと伝えられている。ところが、過疎化による乗客の減少やマイカーの普及などにより、1999年に77年間にわたる鉄道としての役割を終えた。
桜の季節、私は蒲原鉄道線の廃線跡を訪ねて、五泉市に向かった私。五泉駅から路線バスに乗って30分ほど揺られると、村松城跡公園にたどり着く。
公園内には桜の花が華やかに咲き誇っていた。そして、その一角には、かつて活躍していた蒲原鉄道線の車両がひっそりと置かれていた。まるで、今にも動き出しそう。
公園の脇からは廃線跡が続いていた。廃線跡からレールは既に撤去されていたものの、ホーム跡や枕木が残されている地点も見られた。かつて鉄道が走っていた時代の風景を思い浮かべつつ、この絵画を制作した。
(「蒲原鉄道線と村松城跡の桜」2022年制作 F10号水彩 絵と文:井上晴雄)
















