絵画「秋の田圃と美作滝尾駅」
絵画「秋の田圃と美作滝尾駅」
先日、岡山県の県北に足を運ぶ機会があった。
津山駅でJR因美線を走るディーゼルカーに乗り換え、中国山地の山ひだを3駅ほど行くと、美作滝尾という小さな駅にたどりついた。
美作滝尾駅は木造の無人駅で、昭和3年に開業した当時の姿をとどめている。数人の乗客が降りて列車が走り去っていくと、駅舎は沈黙に包まれた。黒光りするベンチ、瓦葺きの切妻屋根ほかまるでタイムスリップしたかのよう。次の列車は4時間後にしかやってこない。
駅舎のホーム側に出るとのどかな田園風景が広がっていた。色づきはじめた中国山系の山々を背景に、黄金色の稲穂が秋風に揺れている。そんな穏やかなひとときを絵に描いてみた。
(「秋の田圃と美作滝尾駅」 絵画と文 井上晴雄 2018年制作 F10号)







