絵画 「雪のプラットホーム」         絵と文 井上晴雄

 雪の舞い散る日、山間のまちへ向かう列車に乗り込んだ。三両編成のディーゼルカーは、ガタンゴトンと軽やかに線路を軋ませながら、なだらかな盆地をひた走っていく。窓外には、うっすらと雪化粧をした田畑と、残雪の山並み。勾配が上がるにつれて、次第に雪が深くなってくる。トンネルを抜けると、エメラルドグリーンの色を呈した湖が広がった。山裾には民家がしがみつき、湖面に静かに映りだしていた。
絵画「雪のプラットホーム/風景」

ちいさな谷間の駅で列車を降りた。朝から吹雪いたそうで、随分冷え込んでいる。 ふと、プラットホームに目を遣ると、雪のなかに、ひとりの老婆がポツンと立っているのが目に飛び込んできた。都会に向かう家族を見送っているのだろうか。いつまでもいつまでも、レールの先を眺める彼女の姿が印象に残った。

 粉雪はいつしかボタン雪に変わり、レールの先に遠ざっていく列車の影は、みるみるうちに、白銀の世界と同化されていった。

(2009年1月制作/雪のプラットホーム/F8号/風景/絵画と文 井上晴雄./風景絵画)

絵画「初夏の川」 絵と文:井上晴雄

絵画「初夏の川」 (「初夏の揖保川」/絵画と文 井上晴雄./風景/国内旅行/絵画風景/2008年7月制作)

.

.

.

.

.

Continue reading "絵画「初夏の川」 絵と文:井上晴雄"

山村の朝(絵画/風景)

「山村の朝」      絵と文 井上晴雄

絵画「山村の風景」

 深い山々に囲まれた過疎の村。山道脇に横たわる数棟の廃屋のトタンは、剥げ落ち、屋根には苔が生えている。既に人の気配はない。 しかし、そんな寂しい集落にも、朝がやってきた。木々の隙間から差し込んだ光は、あたたかく集落を包み込み、何にも代えがたい美しい空間をつくりだした。<br /><br /> 人間はつい、明るい光のみを追い求めがちである。しかし、光を輝やかせるのは、実は暗がりなのかもしれない。暗がりがあってこそ、光は引き立ち、美しく煌きはじめるのである。<br /> 生きていると、さまざまな苦難や挫折と出会うものだ。とても辛いことである。しかし、それらがあるからこそ、小さな幸せを、大きな幸せとして心に留めることができるような気もする。

Photo_2

光も闇、それらは共存してこそはじめて生きてくるものだ。だから、どんな未来が到来しようとも、それをありがたく受け止め、前向きに生きていきたいと思う。

(絵画と文/2008年11月制作/井上晴雄 絵画 作品集/旅/自然/風景)

未来へ飛翔

絵画「未来へ」/風景

(2007年12月制作/絵画と文:井上晴雄./国内旅行/風景)

「富士山と夜景」  (絵画/風景)  絵画と文:井上晴雄

絵画「富士山の夜景」
     

                  


「富士山と夜景」

                     絵画と文 井上晴雄。

夕刻、聳え立つ富士の山容が、すっぽりと闇のなかに包まれようとしていた。茜色に染まった空の色は、次第に深みを増しはじめる。鳥が鳴き、太陽が山の端に沈む。いつしか、眼下のまちには、まるで宝石を散りばめた絨毯のように、無数の灯りがまたたいていた。

 ときが流れるとともに、まちも人も変わっていく。それは、寂しいことかもしれない。しかし、歴史が紡ぎだした、「まちの明かり」というものは、いつの時代も、何とあたたかく、美しいことか。そこには、人々が生きた証が刻まれているように思う。私も一生をかけて、まちを美しく彩る、ひとつのやさしい光になりたい。

(2008年8月制作/絵画と文/F12号/静岡県/豪州日本国大使館収蔵作品/夜景鑑賞士(夜景検定)一級/井上晴雄 絵画 作品集/風景)


「ある秋の日」 (絵画/風景)

絵画「ある秋の日」/風景 「ある秋の日」絵

絵と文:井上晴雄。

          深い山々に、冬が忍び寄ろうとしていた。秋の木々は、まるで、ときを惜しむかのように、赤や、黄色に染まり、その葉を懸命に散らせているのだった。美しい時間が流れ、心に染み入る深い感動が、そこにはあった。 晩秋の木々。一見すると、朽ちて老いたものにすぎないかもしれない。しかし、それは私たち人間に、さまざまな生きるヒントを与えてくれているような気がする。 (2008年1月制作/絵画と文:井上晴雄。/秋の風景/旅 )

□近畿地方の旅行ガイドへ

Continue reading "「ある秋の日」 (絵画/風景)"

絵画「新たな旅が始まる」(絵画/鳥や昆虫の風景) 絵と文:井上晴雄

絵画「新たな旅がはじまる」/風景

静まり返った大地に

 輝く朝陽が顔を出した

何もかもが生命を帯びる感動の瞬間 

私も 新たな旅を
 またはじめようと思った

「新たな旅がはじまる」 絵画と文:井上晴雄。  

長い夜が過ぎ去り、峻険な山々に囲まれた小さな村にも、朝がやってきた。眩いばかりの光は、瞬く間に、深い暗闇に沈んだ村を、あたたかく包み込んだ。ふ と上空を仰ぐと、そこには、東の空を掠め飛ぶ一羽の鳥の姿があった。その羽ばたきは、あまりに力強く、心に響くものがあった。  鳥は、道しるべもないこの厳しい夜を休まずに飛び続けていたに違いない。寒く凍りついた空をたった一羽で。  生きていると、先が見えない暗闇に埋没したり、ときには立ち直れないような悲しい出来事もある。しかし、無心になって前に進んでいれば、必ず夜明けのと きがくる。夜が長く厳しいものであるほど、明るく美しい朝がやってくるように思う。 私も、また新たな旅をはじめようと思った。

(絵画と文:井上晴雄./F8号/風景の絵画/2007年制作)

□甲信越地方の旅行ガイドへ

Continue reading "絵画「新たな旅が始まる」(絵画/鳥や昆虫の風景) 絵と文:井上晴雄"

絵画「黒豆畑が広がる風景」 絵と文:井上晴雄

絵画「黒豆畑が広がる風景」Photo_4
「黒豆畑と青空」(2007年11月制作/絵画/農村の風景)
     絵画と文:井上晴雄   

ちいさな集落の一本道を抜けていくと
黒豆畑が
  薄緑色に 染まっていた

広い空には 雲が流れ
幸せなときが ゆっくりと過ぎていった

「黒豆畑と青空」<兵庫県宍粟市一宮町の風景>絵画の説明

 氷ノ山、三室山、後山といった険しい山々に囲まれた宍粟市。一宮町界隈に入ると、揖保川のせせらぎを覆うように、黒豆畑が一面に広がっていた。
  青空には 雲が流れ、どこまでも透きとおっていた。美しい清水、明るい陽光、植物の生命力、大地の香り、素朴な人々・・薄緑色に染まった黒豆の葉は、風に静かに揺れ、キラキラと光り輝いていた。どこまでもゆったりとした幸せなときが、空の彼方に霞んでいく・・・

※黒豆は、ダイズの一種で、黒大豆とも呼ばれている。8月ごろに薄桃色の花が咲き、10月ごろ実をつける。実が黒く色づいた11月中旬~12月上旬頃、収穫される。

→地図<(兵庫県 宍粟市)/a>

絵画「鳥の旅」(鳥のいる風景)  絵と文:井上晴雄

絵画「鳥の旅」/風景 どんなに苦しくても
 どんなに辛くても
 鳥ははばたきつづける

山の向こうに
光の島があると信じているから
 願いを持ち信を貫き通せば
どんな遠いところへも行けるはず
  鳥はそれを知っているから
  今日もはばたきつづける

(作品: F4号  2007年7月制作/絵と文:井上晴雄 鳥のいる風景)

Continue reading "絵画「鳥の旅」(鳥のいる風景)  絵と文:井上晴雄"

山の音(絵画/山のある風景)

絵画「山の音」/風景ふと足を止めると
霧がかった山からも

野鳥のさえずりや
水の音が聞こえてきた

忙しく過ごしているうちに
  いつしか 野山の音に
  気づかなくなっていた

(F8号 2007年6月制作/絵画/山のある風景)

□近畿地方の旅行ガイドはコチラから

Continue reading "山の音(絵画/山のある風景)"

その他のカテゴリー

| ▼作品(絵画)の目次 | ①[北海道] | ②[東北] | ③[甲信越] | ④[関東] | ④[関東]Ⅱ | ④[関東]Ⅲ | ⑤[東海]Ⅱ  | ⑤[東海]   | ⑥[北陸] | ⑦[近畿]Ⅰ | ⑦[近畿]Ⅱ | ⑦[近畿]Ⅲ | ⑦[近畿]Ⅳ | ⑦[近畿]Ⅴ | ⑧[山陽] | ⑧[山陽]Ⅱ | ⑨[山陰] | ⑩[四国] | ⑪[瀬戸内海] | ⑪[瀬戸内海]Ⅱ_ | ⑫[九州] | ⑬「その他2」 | ⑬「その他」 | ⑭テレコムセンター | ⑭テレコムセンターⅡ | ⑭テレコムセンターⅢ | ⑮温泉 | ⑮温泉Ⅱ | ⑯美作 | ■JR武豊線 | ■radio | ■「その他」 | ■「夕陽Ⅳ | ■「夕陽」Ⅰ | ■「夕陽」Ⅱ | ■「夕陽」Ⅲ | ■「夜景」Ⅰ  | ■「夜景」Ⅱ   | ■「夜景」Ⅲ   | ■「夜景」Ⅳ   | ■「大地」 | ■「山] | ■「山]Ⅱ | ■「川」 | ■「川」Ⅱ | ■「建築物」 | ■「建築物」Ⅱ | ■「建築物」Ⅲ | ■「朝陽」Ⅰ | ■「朝陽」Ⅱ | ■「朝陽」Ⅲ_ | ■「樹木」 | ■「樹木」Ⅱ | ■「海」 | ■「海」② | ■「海」③ | ■「湖沼」 | ■「漁村」 | ■「空」Ⅱ | ■「空」  | ■「花」 | ■「花」Ⅱ | ■「花火」 | ■「花火」Ⅱ_ | ■「農村」 | ■「農村」② | ■「農村」③ | ■「鉄道」 | ■「離島」 | ■「鳥昆虫」 | ■山Ⅲ | ■(その他2) | ■(その他2)Ⅱ | ◇TOPページ | ◇「初冬」 | ◇「初夏」 | ◇「初夏」Ⅱ_ | ◇「初夏」Ⅲ_ | ◇「初春」Ⅱ   | ◇「初春」  | ◇「初秋」Ⅱ  | ◇「初秋」  | ◇井上晴雄 略歴 | ◇個展情報 | ◇季節なし | ◇季節なしⅡ | ◇晩冬 | ◇晩冬Ⅱ | ◇晩夏 | ◇晩春 | ◇晩秋 | ◇黒豆ラングドシャ | 「スポーツ報知」 連載コラム | 「スポーツ報知」 連載コラムⅡ | 「北海道新聞」にて | 「旅の眼」 連載記事 | 「旅行作家」 表紙連載 | 「BC札幌」 連載記事 | 「BC札幌」 連載記事Ⅱ | お客様の感想 | 目次/観光情報