絵画「中田島砂丘の夕陽」 絵と文 井上晴雄

絵画「中田島砂丘の夕陽」 絵と文 井上晴雄

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静岡県浜松市の南部に広がる東西4km南北600mの中田島砂丘。
潮騒が静かにこだまする砂丘の夕暮れどき。太陽が西に傾くにつれ、遠州灘の海面はキラキラと輝きはじめた。さまざまな色彩の光が天空を乱舞し、砂丘をやさしく包み込んでいく。海鳥の群れが上空をゆっくり過ぎその光のなかに溶け込んでいった。
あたたかい陽の光を受けながら、どこかで感じたようなこの幸せなひとときがいつまでもつづいて欲しいと感じた夕暮れどきだった。
                                  (「中田島の夕日」絵と文 井上晴雄)

絵画 「田園風景を行くJR武豊線の列車」 絵と文 井上晴雄

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 「田園風景を行くJR武豊線の列車」

~明治時代に開通した知多半島を走るローカル線~

 

                   絵と文 井上晴雄

 

愛知県の南西部に位置し三河湾と伊勢湾に挟まれてのびる知多半島。その東部に全長19.3kmのローカル線が走っている。愛知県大府市の大府駅と知多郡武豊町の武豊駅間を約30分で結ぶJR武豊線だ。

 

武豊線の歴史は古く、その敷設は明治時代にまでさかのぼる。新橋駅と横浜駅間に日本初の鉄道が開業したのは明治5年(1872年)のことだ。その後、東京と大阪を結ぶ幹線鉄道の建設が構想されることになるが、それには大量の建築資材が要った。そこで、海外からの建築資材を知多湾に面する武豊港から積み上げる計画がもちあがった。そのとき武豊港に陸揚げされた建築資材を輸送する目的でつくられたのが武豊線だった。

 

明治19年(1886年)に武豊線は開通。英国製のSLが、武豊港で陸揚げされた建築資材を運搬し、東海道本線の敷設に大いに貢献した。東海道本線は明治22年(1889年)に無事に開通し、武豊線は当初の役割を終えることになる。しかしその後も地元の要望などから武豊線は存続されることとなり、以降は酒、味噌といった食品や機械製品などを運搬して地元の発展にも大きく寄与した。現在では沿線のベッドタウン化が進み、その役割は物流から通勤・通学客を運ぶことに移行している。一方で、明治19年(1886年)築の亀崎駅や明治42年(1909年)築の半田駅の跨線橋をはじめ、沿線には武豊線の長き歴史を物語る建造物が多く現存し、昔ながらの豊かな自然も残されている。

 

ある日の昼下がり、武豊線の古びた駅で途中下車した。集落をのびる細い道を歩いていくと、アキアカネが飛び交う青空の下に、のどかな田園風景が広がった。黄金色に染まる稲穂が秋風に吹かれて静かに揺れ、淡く浮かびあがっている。明るい田んぼの向こうには、名古屋方面に向かう二両編成の列車がゆっくりと横切っていく。時代の流れとともにその役割を少しづつ変えながら、武豊線の列車は今日ものんびり知多半島を走っている。

絵画「鉄道のある風景(愛知県 JR武豊線 大府駅)」 絵と文:井上晴雄

鉄道のある風景(愛知県 JR武豊線 大府駅) 絵と文:井上晴雄

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絵画「天竜浜名湖鉄道の列車、国登録有形文化財の天竜川橋梁を行く(「旅の眼」掲載」)」 絵と文:井上晴雄

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「天竜浜名湖鉄道の列車、国登録有形文化財の天竜川橋梁を行く」<br />
                  絵と文 井上晴雄

「天竜浜名湖鉄道の列車、国登録有形文化財の天竜川橋梁を行く」
                  絵と文 井上晴雄

静岡県を走る天竜浜名湖鉄道の西鹿島駅から秋葉街道に沿う道をしばらく北上すると、天竜川と交差した。天竜川の澄んだ水は瀬音を立てながら遠州灘に向かって優雅に流れ、時おり飛沫が川面をキラキラ煌めかせている。下流方向には雄大な橋が浮かび上がっていた。長さ403mの天竜川橋梁である。橋の上には天竜浜名湖鉄道の線路が東西に延びていた。

天竜浜名湖鉄道は静岡県の新所原から掛川までの66.7kmを結ぶローカル線だ。その前身は昭和15年に開通した国鉄二俣線。旧国鉄の第二次廃止対象特定地方交通線になったことで、昭和62年に第三セクター鉄道として再スタートをきった。それから四半世紀近い月日が流れた現在、天竜浜名湖鉄道は地元の人々の通学や通勤の足として欠かせない存在となるとともに、観光鉄道としても注目されるようになった。浜名湖や茶畑が展開する美しい車窓風景の魅力は然ることながら、沿線の主要施設36カ所(平成24年現在)が国の登録有形文化財に指定されていることも観光客たちの関心を集めているのだ。天竜川橋梁もそのひとつで、鋼製七連橋桁と三連トラス橋からなるそのたたずまいには、昭和16年竣工当時の面影が残る。

無数の小石が連なる天竜川の河畔に陽光がやさしく差しはじめた時刻のことだった。「ガタンゴトン、ガタンゴトン」。山峡の風を割るようにレールを軋ませる音が渓谷に鳴り響き、白い一両編成の車両が青空の下に現れた。天竜浜名湖鉄道の列車だった。川面にその姿が映しだされたかと思うと、見上げる橋梁の上を力強く駆け抜けていった。

一瞬の出来事だった。列車が走り去ってしまうと、天竜川の瀬音だけを残して、また静けさが渓谷を包み込んでいった。大人になって忘れかけていた感動のかけらを思い出したような気がふとして、心地よい余韻に浸りながら列車が過ぎ去った橋梁をずっと眺めていた。

絵画「飛騨古川の温泉宿」[岐阜県飛騨古川)  絵と文 井上晴雄

        「飛騨の温泉宿」 (岐阜県飛騨古川)          絵と文 井上晴雄     
 底冷えしたある日の朝、JR高山本線の列車に乗り、岐阜県北部の飛騨古川に足をのばすと、まちは雪のなかにすっぽり埋もれていた。飛騨古川は、「飛騨の小京都」とも称される城下町。飛騨の匠の技が息づき、出格子の商家や、白壁土蔵の造り酒屋がひさしを連ねる。

 

絵画「飛騨古川の温泉宿」

湯宿を探し歩いているうちに、粉雪は、いつしか牡丹雪へと変わり、それらを再び、やさしい冬色のなかに包み込んでいった。    
         
地図(岐阜県 飛騨古川)・・飛騨古川は、岐阜県北部にある城下町。「飛騨の小京都」と呼ばれ、出格子窓の商家や土蔵などがまちの随所に見られる。名古屋方面からなら特急「ワイドビューひだ」が便利 毎年4月に飛騨古川では、古川祭が催される

料亭旅館 八ツ三館・・安政年間の創業。JR飛騨古川駅から徒歩7分。2007年に建物のうち3棟が「有形文化財」に登録されている。飛騨牛や自家農園の野菜をふんだんに使った懐石料理が自慢。映画“あゝ野麦峠”“ゼロの焦点”ゆかりの宿。JR飛騨古川駅から徒歩約7分

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絵画「飛騨の雪景色」 岐阜県高山市 絵と文:井上晴雄

絵画「奥飛騨の冬景色」
                                           
「飛騨の雪景色」
    (岐阜県高山市)                                      絵と文  井上晴雄

 雪国の旅情に誘われ、飛騨の谷あいに足を運んだ。JR高山本線の列車はゴトゴトとレールを軋ませ、宮川に沿う山坂道をのんびり北上していく。山峡の樹林をいくつも縫っていくと、さびれた線路の向こうに、雪に埋もれる小さな集落があらわれた。田畑も家々も細い路地もみな、真白な雪のなか。鈍色に煙る空の下には、山々の稜線がうす紫色に重なり、やわらかな陽の光が、雪の白を浮き立たせている。天空からは、ボタン雪が静かに舞いおり、ただやさしく、まちに降り積もっていった。

→地図(岐阜県 高山)

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絵画「白川郷(荻町集落)の風景」 岐阜県大野郡白川村荻町 絵と文:井上晴雄

絵画「白川郷の風景」

            「白川郷の風景」 天空からやわらかな春の陽光が降り注ぎ、谷あいには野鳥の声がこだましていた。若葉が芽吹きはじめた城山にのぼると、眼下には合掌づくりの民家が連なる風景が広がっていた。江戸時代から大正時代に立てられた古い民家群と素朴な田畑。まるでタイムスリップしたかのような、その昔ながらの風景を前に息を呑んだ。 

ここは岐阜県の北部にある白川郷・荻町集落。2000m級の山々が周囲にそびえる山岳地帯に開けた地域で、自然景観や独特の民俗文化が守られていることから、1995年にユネスコの世界文化遺産に登録された。白川郷に現存する民家の多くは、切妻屋根と呼ばれる茅で葺かれた急勾配の屋根を構えている。それは、冬場は豪雪地帯となるため、雪の重みから生活を守るための知恵なのだという。

 

幾度となく繰り返されてきた四季。白川郷に広がる光景は、暮らす人々が築きあげてきた日本の原風景だといえる。厳しい自然環境のなかでもひたむきに、そして共に助け合いながら積み重ねてきた光る結晶なのだ。ときには困難を乗り越え、その景観や文化を大切に守ってきたことで、歴史が紡がれてきたのだ。                                                                                                                                  絵画「白川郷(荻町集落)の風景」岐阜県大野郡白川村荻町    (絵と文 井上晴雄.)   

絵画「幸せが降りつもる」(絵画/花のある風景) 絵と文:井上晴雄

絵画「幸せが降り積もる」/桜の風景さびれた山奥の廃線跡
列車がやってこなくなって 何年も経つ

人々はいつしかその存在さえ忘れてしまった

ただ 桜の木々だけは
今年も 忘れることなく
たくさんの 花吹雪を降りつもらせていた

(F4号 絵画 2007年7月制作/花のある風景)


「幸せが降り積もる」絵と文:井上晴雄

人里離れた山に分け入っていくと、茂みのなかに、廃線跡があった。枕木はとうに朽ち果て、線路は草や苔で覆われていた。ふもとの村のに住む誰もが、その存在すら忘れてしまっていた。

 しかし、春が訪れると、線路脇の山桜は毎年欠かさず咲き乱れ、廃線跡を愛でるかのように、花吹雪を散らしているのだった。春の薄い光が枕木に落ち、足元には、無数の桜の花びらが吹き溜まる。それはかつて、列車が山を駆け抜けたときと何変わらない華麗な姿だった。
 
 人間も、年を重ねるごとに、腰が曲がり、病気がちになり、次第に朽ち果てていく。しかし、それはとても美しいことである。ここまで築いた深い人生経験や想い出の数々は、未来へ繋がるかけがえのない財産である。

 私も含めた若い世代は、年配の方々を敬い、紡がれた歴史から、真摯に何かを学んでいきたいものである。
                        

□東海地方の旅行ガイドはコチラから

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井上晴雄の絵画を使った銘菓「黒豆ラングドシャ」好評発売中です

井上晴雄の絵画を使った銘菓「黒豆ラングドシャ」好評発売中です

井上晴雄の絵画「黒豆畑と青空」が 、チョコレート菓子「黒豆ラングドシャ」のパッケージになりました。黒豆の粉をまぶしたビスケット風の生地に、ほんのり甘いミルクチョコレートが入っているお菓子です。

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お菓子のフタを開けたら、内パッケージに印刷されている当絵画が現れるようになっています。黒豆畑の風景を描いた絵画を眺めながら、お菓子の美味しさをゆっくりと味わっていただければという、思いを込めています。

以下、「黒豆ラングドシャ」を販売している実店舗です(2013年7月現在)





・荒湯観光センター(新温泉町 土産屋)
・株式会社井筒屋(新温泉町・旅館)
・株式会社朝野屋(新温泉町・旅館)
・但馬牧場公園(新温泉町・施設)
・ハートイン福知山(京都府福知山市・キヨスク)
・株式会社ドライブインやくの(京都府福知山市・ドライブイン)
・株式会社フレッシュあさご(兵庫県朝来市・道の駅)
・株式会社HOTEL KOSHO(兵庫県豊岡市・ホテル)
・ドライブインやまがた屋(京都府・ドライブイン)

   (以上 敬称略)

(販売元)但馬寿 遊月亭

お台場の夜景名所×井上晴雄絵画

お台場にあるテレコムセンター」21階展望台は「日本夜景遺産」に登録されている東京随一の夜景名所。展望台内では 展望台内では井上晴雄による絵画作品の一部をご覧いただけます。お台場観光の折にはぜひご来館ください

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(展望台入場料)大人500円・子供300円
(休み)月曜(月曜が休日の日は営業、翌営業日休)
(営業時間)15~21時(土日は11~21時)※最終入場は20:30
(アクセス)新交通ゆりかもめ「テレコムセンター駅」直結(新橋駅から約20分) 
(場所)東京都江東区青海2丁目5-10テレコムセンター 地図はこちら 

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