初夏の農村風景(高島市畑地区の風景) 絵と文 井上晴雄

初夏の農村風景(高島市畑地区の風景) 
                                    絵と文 井上晴雄

初夏の緑が映える季節になった。先日、琵琶湖西北部、比良山系の山すそに高島市畑地区というエリアに足を運んだ。

JR湖西線の近江高島駅から路線バスに揺られること30分余、終点の畑バス停で下車すると、鳥のさえずりだけが谷あいにこだましていた。木陰にたたずむ古い看板をたよりに急な坂道をのぼっていくと、山斜面に重なるように、明るい棚田が現れた。

Photo_4



畑地区一帯には標高300m~400mにかけて350枚もの田園が、すり鉢状に連なっているのだという。

水路には透きとおった水が流れ、風が吹くたびにどこからともなく花の甘い香りが漂ってきた。

視界はさまざまな緑色。若草色、薄緑、深緑、鮮緑、鶯色、萌黄色、浅緑・・それらが折り重なりあいながら繊細な空間をつくりだし、そのなかに古風な民家が点在していた。草木はまるで今この瞬間を生きることを喜ぶように葉をいっぱいに広げている。

都会の喧騒から離れた、ゆったり過ぎゆく農村のひととき。そんな、すべてをやさしく包み込んでくれるような穏やかな季節がいつまでもつづけばいいのにと思った。

 
               (「初夏の農村風景~高島市畑地区の風景 」絵と文 井上晴雄)

綾部山梅林とお地蔵さんの風景

「綾部山梅林とお地蔵さんの風景」                     絵と文 井上晴雄

Photo

うららかな春の訪れになった。兵庫県たつの市にある綾部山梅林である。 綾部山梅林は西日本随一の梅の名所として知られる観光スポットで、24haにも及ぶ広大な敷地内に、山裾を中心に2万本もの梅が植えられている。 路線バスを降りてゲートをくぐると、なだらかな傾斜地に満開の梅の花々が出迎えてくれた。 土産屋が立ち並ぶ一角を抜け坂道をのぼっていくと、木々の隙間からは、海や瀬戸内の島々も見えてくる。茶屋へ至る遊歩道の一角には、一体のちいさなお地蔵さんが立っていた。パンジーやスイセンの花が手前に植わり、その先には梅の花々が一面に広がっている。 お地蔵さんの表情が穏やかで、まるで春の訪れを楽しんでいるように見えた。

美山茅葺きの里の雪景色

「美山かやぶきの里の雪景色」

                      絵と文 井上晴雄

京都府南丹市美山町知井地区に北集落という集落がある。現代では珍しくなった茅葺き屋根を構えた民家が、山麓の傾斜地に連なる。

美山は京の都と若狭をつなぐ鯖街道のほぼ中間に位置したことから、中世には物資や人が行き来していた。茅葺き屋根を構える民家群の建築様式もその影響を受け、丈の高い入母屋造の屋根が特徴的。その多くは江戸時代中期~末期に建てられたものだと伝えられる。

Photo_2

現在は、、民家群のほか民俗資料館や民宿なども含め茅葺き屋根を構えた建築物38棟が現存。水田や山林を含む集落全体(127.5ha)が国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されている。

1月下旬から2月初旬にかけて現地では「かやぶきの里 雪灯廊」と呼ばれるイベントが催され、茅葺き屋根の民家群がライトアップ。花灯篭によるやさしいあかりが風景に華を添えていた。

日本の原風景ともいえる、茅葺き屋根の民家が連なる里山風景。心を和ませてくれるゆったりした時の流れを味わっていると、天空からボタン雪が舞いはじめ視界を白く染めていきった。

(美山かやぶきの里の雪景色 絵と文 井上晴雄)

絵画「佛隆寺の千年桜」

「佛隆寺の千年桜」  絵と文 井上晴雄   

70_img_6959_22

佛隆寺は奈良県宇陀市榛原にある古刹。嘉祥3年(850)に弘法大師の高弟堅恵が創建したとされる寺で、門前につづく石段の途中には、桜は古木が立っている。その樹齢は900年と奈良県最古の一本桜だと言われている。 近鉄榛原駅から曽爾高原方面へ向かう路線バスに揺られ、高井バス停で下車した。杉木立が両側につづく山坂道を40分ほど上がっていくと、段々畑の向こうに、大きな桜の木が立っているのが目に飛び込んできた。 樹高16m、周囲7.5mという圧倒的な存在感。風が吹くたびに花びらが大地に散り舞い降りていく。その伝わってくる生命力を自分なりに絵に表現した。

絵画「朝陽と紅葉の木々」

絵画「朝陽と紅葉の木々」                    絵と文 井上晴雄

Img_1295

冷え込んだ夜が明け、山の端から朝陽がのぼってきた。木々の隙間からまばゆい光が差し込み、それを浴びたモミジの枝葉がシルエットとなって幻想的に浮かびあがっている。

その光景を見て気持ちも明るくなった。暗がりが一瞬にして光あふれる明るい空間に変わる。そんな朝陽の持つエネルギーを表現してみた。

ふと足を止めてみると、日常には光がおりなす綺麗な風景がたくさん広がっている。

しかし、普段意識しなければ、私たちはそれらに気付かず過ぎ去ってしまう。ただ、

それらをひとつでも多く見つけ感謝の気持ちを捧げることが、日々を喜びあるものにするように思える。

晩秋のやさしい光にふれながら、ときに足をとどめそんな景色をひとつでも多くみつけてみたいと思う。

            

 (絵画「朝陽と紅葉の木々」 絵と文 井上晴雄)

絵画「母校の風景(大教大附属天王寺中・高)

70161223_1708_001

(「母校の風景(大教大附属天王寺中・高)絵 井上晴雄)

絵画「城崎温泉の雪景色」(兵庫県豊岡市城崎町) 絵と文:井上晴雄

城崎の冬(絵画/風景)

「城崎温泉の雪景色」兵庫県豊岡市城崎町)

 しんしんと雪が舞いはじめるこの季節、冬ならではの趣がある温泉であたたまりたい もの。この時期の私のおススメは、但馬の山間に湧く城崎温泉である。城崎温泉は1300 余年の歴史を持ち、まちをそぞろ歩きながら湯のまち情緒を味わえる温泉なのだ。  城崎温泉の楽しみのひとつに、外湯巡りがある。温泉内には7つの外湯(共同浴場) が点在し、まちを散策しながら、それらを巡ることができる。夕暮れになると、浴衣姿 の湯客たちが、カラコロと下駄を鳴らしながら宿を出発する。まちには木造の老舗旅館 が並ぶほか、志賀直哉や島崎藤村など文人墨客らの文学碑も点在し、文学的な香りも感 じさせる。柳通りに出ると、太鼓橋のかかる大谿川の川面には、ライトアップされた温 泉街が映しだされている。そのさまはあまりに幻想的である。  城崎温泉の湯はナトリウム・カルシウム-塩化物・高温泉。まろやかで、湯冷めしに くいのが特徴だ。外湯巡りで心も体も癒されたあとは、宿でカニ料理も味わってみたい 。城崎温泉は日本海に近く、新鮮で身の引き締まった松葉ガニは特に絶品である。                                          (絵画と文 井上晴雄)

絵画「大原の里」(京都府 京都市) 絵と文 井上晴雄

絵画「大原の里」京都

        「大原の里」(京都府京都市)

                           絵画と文 井上晴雄

京都の市街地から北東に20kmほど行くと、比叡山の北西麓にあるまち大原に辿り着く。大原 は、心和む山里である。参道がつづく緩やかな段丘の先には、のどかな田畑が広がり、山すそには木造の民家が寄り添う。耳をすませば、澄んだ渓流の水音や小鳥のさえずりも聞こえてくる。若葉のなかにひっそりと佇むのは、建礼門院徳子が隠棲したとされる寂光院や、極楽の寺として知られる三千院など古刹の数々だ。侘び寂びのムードに心落ち着く。 →地図(京都府 大原)

.

(絵と文 井上晴雄/F10号/ 京都府  大原温泉 風景画/c報知新聞社) 

絵画「長浜城の景観」[滋賀県長浜市)   絵と文 井上晴雄

     「長浜城の景観」 [滋賀県長浜市)

絵画「長浜城」

     「長浜城の景観」

      絵画と文 井上晴雄

 琵琶湖の水辺の風景に魅せられ、しばしば滋賀県に足を運んできた。JR北陸本線で米原から更に北にあがっていくと、静かに水をたたえる湖の北岸に、長浜というまちがあった。

 長浜はかつて、城下町や宿場町として栄えた。まちなかには紅殻格子の古民家などがひさしを重ね、随所に歴史を感じさせる遺構が点在する。湖畔に広がる豊公園には、長浜のシンボルでもある城もそびえ立つ。かつて羽柴(豊臣)秀吉が立てたとされる長浜城である。秀吉は、織田信長から湖国12万石の領国を与えられ、一国一城の主として、天下人となるための基盤をこの長浜の地で築いた。楽市楽座を実施し、地元の商業活性化にも尽くしたとも伝えられる。ただ、城は、江戸時代に、豊臣家が滅びた折に、廃城となってしまう。それから長い歴史が流れた1983年(昭和58年)のこと、地元の住民たちの熱意により、天守閣が復元された。

 長浜城の天守閣にのぼると、琵琶湖の先に竹生島がかすんで見えた。やわらかい陽に映える琵琶湖の景観は絶景で、やわらかい湖畔の潮の香りに包まれた。

→地図(滋賀県 長浜) 黒壁ロール

(絵画/2010年6月制作/長浜城/滋賀県 長浜市/絵と文 井上晴雄)

Continue reading "絵画「長浜城の景観」[滋賀県長浜市)   絵と文 井上晴雄"

絵画「近江商人屋敷にて(そろばんのある光景)」滋賀県東近江市五個荘 絵と文:井上晴雄

絵画「近江商人屋敷にて」

  「近江商人屋敷にてそろばんのある風景)」                                                 絵画 井上晴雄    滋賀県東部にある東近江市 五個荘に訪れた。JR能登川駅を出たバスは、湖東平野を割って走り、窓外には、赤や黄に色づく山並みが遠ざかってゆく。 五個荘は、かつて、天秤棒を担いだ近江商人たちが活躍したことから「てんびんの里」という愛称で呼ばれている。五個荘 金堂地区などが重要伝統的建造物群保存地区に指定され、現在でも、界隈では、明治時代前後の風景を見ることができる。 平日ということもあり、まちは、ひっそりとしていた。路地を曲がると、白壁の土蔵や、格子を構えた商家が次々と現れた。  近江商人屋敷の一軒に入ると、黒光りする土間の先に、書院造りの広間が広がった。畳の香りと木のぬくもり。壁には、ボンボン時計が、静かにときを刻んでいる。窓からは、晩秋の陽光がやさしく差し込んでいた。 古びた机の上には、橙色に変色した台帳と、黒ずんだソロバンが置かれてあった。 まるで時代を遡ったかのような光景に、その場を動けなくなった。  年月が過ぎるとともに、古いものは少しずつ淘汰され滅びゆく。しかし、それらに触れ原点に戻ったとき、新たなものを生みだす力が生まれてくるような気がする →地図(滋賀県 近江八幡) (2009年12月制作/「近江商人屋敷にて(そろばんのある風景)/絵と文:井上晴雄/滋賀県 東近江市 五箇荘)

その他のカテゴリー

| ▼作品(絵画)の目次 | ①[北海道] | ②[東北] | ③[甲信越] | ④[関東] | ④[関東]Ⅱ | ④[関東]Ⅲ | ⑤[東海]Ⅱ  | ⑤[東海]   | ⑥[北陸] | ⑦[近畿]Ⅰ | ⑦[近畿]Ⅱ | ⑦[近畿]Ⅲ | ⑦[近畿]Ⅳ | ⑦[近畿]Ⅴ | ⑧[山陽] | ⑧[山陽]Ⅱ | ⑨[山陰] | ⑩[四国] | ⑪[瀬戸内海] | ⑪[瀬戸内海]Ⅱ_ | ⑫[九州] | ⑬「その他2」 | ⑬「その他」 | ⑭テレコムセンター | ⑭テレコムセンターⅡ | ⑭テレコムセンターⅢ | ⑮温泉 | ⑮温泉Ⅱ | ⑯美作 | ■JR武豊線 | ■radio | ■「その他」 | ■「夕陽Ⅳ | ■「夕陽」Ⅰ | ■「夕陽」Ⅱ | ■「夕陽」Ⅲ | ■「夜景」Ⅰ  | ■「夜景」Ⅱ   | ■「夜景」Ⅲ   | ■「夜景」Ⅳ   | ■「大地」 | ■「山] | ■「山]Ⅱ | ■「川」 | ■「川」Ⅱ | ■「建築物」 | ■「建築物」Ⅱ | ■「建築物」Ⅲ | ■「朝陽」Ⅰ | ■「朝陽」Ⅱ | ■「朝陽」Ⅲ_ | ■「樹木」 | ■「樹木」Ⅱ | ■「海」 | ■「海」② | ■「海」③ | ■「湖沼」 | ■「漁村」 | ■「空」Ⅱ | ■「空」  | ■「花」 | ■「花」Ⅱ | ■「花火」 | ■「花火」Ⅱ_ | ■「農村」 | ■「農村」② | ■「農村」③ | ■「鉄道」 | ■「離島」 | ■「鳥昆虫」 | ■山Ⅲ | ■(その他2) | ■(その他2)Ⅱ | ◇TOPページ | ◇「初冬」 | ◇「初夏」 | ◇「初夏」Ⅱ_ | ◇「初夏」Ⅲ_ | ◇「初春」Ⅱ   | ◇「初春」  | ◇「初秋」Ⅱ  | ◇「初秋」  | ◇井上晴雄 略歴 | ◇個展情報 | ◇季節なし | ◇季節なしⅡ | ◇晩冬 | ◇晩冬Ⅱ | ◇晩夏 | ◇晩春 | ◇晩秋 | ◇黒豆ラングドシャ | 「スポーツ報知」 連載コラム | 「スポーツ報知」 連載コラムⅡ | 「北海道新聞」にて | 「旅の眼」 連載記事 | 「旅行作家」 表紙連載 | 「BC札幌」 連載記事 | 「BC札幌」 連載記事Ⅱ | お客様の感想 | 目次/観光情報