由良川橋梁を渡り日本三景の天橋立へ ~京都丹後鉄道(丹鉄)でゆく列車旅~

「由良川橋梁を渡り日本三景の天橋立へ」~京都丹後鉄道(丹鉄)でゆく列車旅~(絵と文 井上晴雄)  

Photo

 海と山に囲まれ、神代の物語が伝わる京都府北部エリアはロマンあふれる地だ。京都府北部エリアといえば、日本三景「天橋立」のある宮津市はじめ5市2町を圏域とする「海の京都観光圏」が国の認可を受け国内外から注目を集めている。同観光圏内の交通手段として大きな役割を担うのは京都丹後鉄道(丹鉄)だ。先日、そんな京都丹後鉄道宮舞線・宮豊線の普通列車に揺られ天橋立へ向かう旅に出た。

西舞鶴発豊岡行の気動車は、山々に挟まれた田園地帯をゴトゴト西へ走っていく。駅前の枝垂れ桜が美しい四所駅や「安寿の里駅」の愛称を持つ東雲駅に停まり、丹後神崎駅を出ると列車は山すそのカーブを舞い、第1の絶景ポイントである由良川橋梁に差し掛かる。由良川橋梁は大正13年に完成した全長552mの単線橋梁だ。一直線にのびる橋を進むにつれ、車窓いっぱいに由良川の川面が広がった。まるで海上を走っているようだ。

丹後由良駅から列車は海沿いに高台へ上がり第2の絶景ポイントである奈具海岸を右車窓の眼下に映しだす。紺碧の栗田湾と入り組んだ海岸線の構図が美しい。栗田駅からトンネルを抜けると宮津駅。江戸時代の風情香る市街地には宮津温泉ピント湯が湧き、「宮津温泉 料理旅館 茶六別館」はじめ名宿が並ぶ。宮津駅からひと駅行くと日本三景「天橋立」の最寄り駅である天橋立駅に到着する。

駅前から智恩寺の門前町を辿ると天橋立のたもとに出た。宮津湾と阿蘇海を分ける形で3.6kmに及ぶ砂嘴が一直線にのび、美しい白砂青松の風景が展開。かつて国生みの神である男神イザナギノミコトが女神イザナミノミコトのもとに通うため天上から梯子をかけ、それが倒れて天橋立になった・・。そんなロマンチックな神話が現地に伝わる。

 天橋立を歩いた後、天橋立運河の畔で湯けむりを立てる老舗温泉宿「文珠荘」に立ち寄った。天橋立の神話に思いを馳せながら、同宿の茶庭風露天風呂に浸かる。その澄んだやさしい湯は旅の疲れをゆっくり癒してくれた。

(由良川橋梁を渡り日本三景の天橋立へ ~京都丹後鉄道(丹鉄)でゆく列車旅~ 絵画と文 井上晴雄/『旅の眼123号』掲載

 

田植えの風景(近江高島畑地区)

「田植えの風景(」近江高島畑地区)

Photo_2

深い緑に囲まれた山斜面には水を張った田んぼが連なっていた。あたたかい陽光、澄んだ水の音、鳥のさえずり、風のそよぎ、伸びる草木・・そこには農作業に励む人々も見える。さまざまないのちが躍動する里山の風景。私も自然がつくりだす風景のようにあるがままに生き、日々のなかにちいさな感動を多く見つけていければいいなと思う。

「ふるさとに咲く桜」 

    「ふるさとに咲く桜」                     絵と文 井上晴雄 

日本列島に桜前線が北上中である。どこか花見に出かけてみようと思い、先日、生まれ故郷に久しぶりに訪れた。 すると、小さいころよく歩いた桜並木に桜が花開き始めていた。可憐な花々を見上げながら人々がにこやかに過ごしている。そんな風景を見て心が温かくなった。

70_3

桜といえば、小さい頃は、亡き母が毎日散歩に連れて行ってくれて、桜並木をくぐりながらいろいろな草花の名前を教えてくれたことを思い出す。

桜の木々は何も語らないが、そこには生命の躍動が溢れているのを感じとっていた。

じっと寒い冬を過ごし、毎年変わらず美しい花を咲かせている。子供心ながら、そんな桜のような大人になりたいなと思っていた。

そういった過ぎ去りし昔の出来事をなつかしく思い出しながら、枝に咲いている桜の花々を絵に描いた。

歳月が流れると、街並みも人も変わっていく。そこには寂しさもあるが、ふるさとの桜は当時と何変わらぬ姿でやさしく迎えてくれた。

    (ふるさとに咲く桜」絵 井上晴雄)

絵画「農村の風景」 (日本の風景)    絵と文 井上晴雄

絵画「農村の風景」農村風景」(日本風景

            

絵画 井上晴雄

兵庫県と鳥取県との県境に近い、ちいさな農村に訪れた。雪に閉ざされていた野山は、いつしか春の光景に様変わりしていた。畦道には、菜の花やレンゲソウが可憐に咲き乱れ、小川からは、軽やかな瀬音が聞こえてくる。

 小径を歩いていくと、明るい段々畑が広がった。そこには、おばあさんたちが、農作業に勤しむ姿があった。まるで春の到来を全身で喜ぶようかのように、懸命に田畑を耕し種を蒔いている姿が印象に残った。ここから米などの農作物が育っていくのだ。

 季節は、毎年、正確に巡ってくる。春になると若葉が芽吹き、夏になると、入道雲が湧きあがる。一見すると、ごく当たり前のことかもしれない。ただ、ふと立ち止まってみると、その平凡なことが至極、奇跡的でありがたいことに思えてならない。

(「春先の農村風景」/播磨/自然/農村の風景/画像/絵画と文:井上晴雄./国内旅行/日本の風景/風景絵画)

絵画 「大井川鐵道、新金谷駅にて」(元南海電鉄ズームカーとの再会)静岡県島田市  絵と文:井上晴雄

Photo

大井川鐵道、新金谷にて

元南海電鉄ズームカーとの再会) 静岡県島田市

                           絵画と文 井上晴雄

 もうかれこれ30年近く前のこと、まだ小さい子供だった私は、南海電鉄高野線の電車にひとり乗って、和歌山県の高野山まで旅をしたことがある。そのとき私を高野山方面に連れていってくれたのは、21001系ズームカーと呼ばれる急行列車だった。難波駅から橋本駅までの平坦区間を時速100km近い速度で走り、橋本駅から極楽橋駅に至る山岳地帯は低速に切り替え勾配を力強くのぼっていった。そして車窓には、靄のなかに深遠なる高野の山々が連なるのが見え心躍った記憶がある。そんなズームカーは、平成9年には南海電鉄から姿を消した。

 最近、そのときの鉄道車両と思いがけず再会する機会があった。場所は静岡県に路線を持つ大井川鐵道である。引退後、南海電鉄の21001系ズームカーの一部は同鐵道会社に譲渡されていたのだ。大井川鐵道の大井川本線は、静岡県島田市の金谷駅から、寸又峡の入り口にあたる榛原郡川根本町の千頭駅までの39.5kmを結ぶ路線だ。大井川本線といえばSL急行「かわね路号」が運行していることで有名だが、私鉄の看板車両が第二の人生を歩む路線としても知られている。ちなみに2013年現在、元南海電鉄のズームカー21001系のほかに元近畿日本鉄道の特急車両16000系と元京阪電鉄の特急車両3000系も同路線にて活躍中である。

 昭和のまま時が止まったような新金谷駅の構内。ホームにゆっくりと元南海電鉄のズームカーは入線してきた。うす緑の車体に濃い緑のライン。往時と全く同じ姿である。しばらくするとワンマン運転のその普通列車はホームを後にした。軽やかなジョイント音を立てながら茶畑のなかを縫い、南アルプスへつづく蒼い山々を車窓に映しだしていく。五和駅を過ぎると悠々と流れる大井川が迫ってきた。鉄橋を力強く渡りトンネルをくぐっていく。曲がりくねるレールの先には、30年前と同じような明るくやわらかい光が差し込んでいた。

(絵と文:井上晴雄/絵画 「大井川鐵道、新金谷駅にて」(元南海電鉄ズームカーとの再会)静岡県島田市/「旅の眼」掲載) 

絵画「大阪平野の夕陽」大阪府東大阪市 絵と文:井上晴雄

絵画「大阪平野の夕陽」

            大阪平野の夕陽

       ~夕陽と夜景の名所、ホテルセイリュウにて~ 大阪府東大阪市

                                                                                                        絵画と文 井上晴雄                               ホテルセイリュウに初めて訪れた日、夕方の東大阪市の上空は、ぶ厚い雲で覆われていた。ときおり冷たい雨に濡れた眼下のまちは、うす霧のなかに静まり返っているように思えた。闇が寸前まで迫ろうとしていたときだった。突如、雲の切れ間から、一条の陽光が射し込んだ。光が乱舞する。その光はみるみるうちに天地を駆けめぐり、まちを照らした。 住宅街も高速道路も、そのさまをホテルから見る人たちの顔もみな、茜色に華やいでいった。眼下に広がる大阪平野の遥か先には、市街地の高層ビル群が淡く浮かびあがり宝石のように輝いている。その美しさに圧倒された。  夕暮れのひととき、無限の生命が息づいていることを感じる。次第に霞みゆきながらも、あたたかい光を降り注ぎつづけている。そのさまを目の当たりにするとき、人は、光が薄れる切なさのなかに力強さを思う。  生きることに喜びを感じさせ、日々繰り返される夕陽の光のようになりたい。ささやかだけれども、それが自己と他者に幸せを与える気がするからだ。そのような思いを胸に、さまざまな色彩をキャンバスに散りばめて、一枚の絵を完成させた。                                                                          (「ホテルセイリュウから眺望した夕陽」/絵と文 井上晴雄/平成22年制作/  cトラベルニュース社)                                   →地図(大阪府 石切温泉)

ページランク

絵画「田植えの風景」 絵と文 井上晴雄

                    「田植えの風景」

                                     絵と文 井上晴雄

山から湧く清水は澄みきり、軽やかな瀬音を立てて水路に流れ込む。連なる山々は新緑の若葉色に染まり、梢には鳥がさえずっている。陽がやわらかい光で大地を照らす春は、万物が光り輝き、生命が躍動する季節だ。

絵画「田植えの風景」

桜の花びらが舞う頃、農村には田植えの時期がやってくる。水を張った田んぼに、農夫たちは丹精込めて稲の苗を植える。植えるときは細くどこか頼りない苗。しかし、梅雨を経て山々が青々と映える頃になると、苗は大地にしっかりと根を張り力強く葉を広げる。秋風が吹く季節が到来すると、稲穂は頭を垂れ黄金色に染まる。

 日照りの日も、風の日も、ただ一途に大地に根を張り精一杯葉を伸ばす稲の苗。そのちいさな積み重ねがふくよかな稲穂となり米となる。なんとも神秘的で奇跡的なことだ。ひと粒の米には、自然の恵みとそれを育てる人々の人生が詰まっているのだ。        

 「田植えの風景」絵画と文 井上晴雄

Continue reading "絵画「田植えの風景」 絵と文 井上晴雄"

絵画「曽爾高原の夕陽」  絵と文:井上晴雄

曽爾高原は、奈良県と三重県の県境に位置する国定公園。秋が深まった日、
そよかな風に吹かれて、無数のススキの穂が波打ち、陽の光が、それらを
銀色に浮かびあがらせていた。

絵画「曽爾高原の風景」

秋の夕暮れ、そこには一抹の物悲しさのなかに、美しさが秘められているような気がする。
それは、限られたときのなかで生きる、人間の姿にも似ているかもしれない。

年が巡るごとに、万物は変化していく。終着点を迎えるまで、
前を向いて、精一杯生きていきたいと思う

→地図(奈良県 曽爾高原)

(2008年12月制作/作品 F8号/絵と文 井上晴雄/曽爾高原 奈良)

絵画「奈良の夜景(若草山)」      絵と文 井上晴雄

若草山の山頂から奈良の市街地を眺望した夜景は、新日本三大夜景に指定されている。その光景を見たいと思い、私は、春日大社の一角からひとり、山頂へ向かう山道に入った。 

絵画「奈良の夜景(若草山)」

山道はひっそりと静まりかえった太古の世界。杉やシイなどが頭上に茂る春日原生林がつづく。山の陰になっている渓流の脇には、朽ちた大木が、ごろごろ転がり、草の弦やコケなどが覆っていた。 若草山山頂を示す標識を暗がりのなかに見つけたのは、既に陽が山の端に沈んだ後のことだった。  最後の階段を上ると、蒼く暮れなずむ古都の空の下に、まるで星屑のような街の明かりが広がった。 あまりの美しさに、山道を登ってきた苦労など忘れてしまった。なだらかな山の斜面には、草を食む鹿たちの姿。夜景を時折眺めながら草を反芻する鹿たちを見ているうちに、なんだか羨ましくなった。この鹿たちのようになりたいとふと思い、草地の上にごろりと寝そべった。若草山の斜面には、芝生だけではなく、春の草が葉を広げていた。知らないうちに、春がやってきていたのだ。 →地図(奈良県 若草山)

(作品 奈良の夜景(若草山)/2009年5月制作/絵画と文 井上晴雄/奈良県 奈良市)

井上晴雄の絵画を使った銘菓「黒豆ラングドシャ」好評発売中です

井上晴雄の絵画を使った銘菓「黒豆ラングドシャ」好評発売中です

井上晴雄の絵画「黒豆畑と青空」が 、チョコレート菓子「黒豆ラングドシャ」のパッケージになりました。黒豆の粉をまぶしたビスケット風の生地に、ほんのり甘いミルクチョコレートが入っているお菓子です。

Photo_5

お菓子のフタを開けたら、内パッケージに印刷されている当絵画が現れるようになっています。黒豆畑の風景を描いた絵画を眺めながら、お菓子の美味しさをゆっくりと味わっていただければという、思いを込めています。

以下、「黒豆ラングドシャ」を販売している実店舗です(2013年7月現在)





・荒湯観光センター(新温泉町 土産屋)
・株式会社井筒屋(新温泉町・旅館)
・株式会社朝野屋(新温泉町・旅館)
・但馬牧場公園(新温泉町・施設)
・ハートイン福知山(京都府福知山市・キヨスク)
・株式会社ドライブインやくの(京都府福知山市・ドライブイン)
・株式会社フレッシュあさご(兵庫県朝来市・道の駅)
・株式会社HOTEL KOSHO(兵庫県豊岡市・ホテル)
・ドライブインやまがた屋(京都府・ドライブイン)

   (以上 敬称略)

通販はこちら>>全国のお土産・手土産大集合!黒豆ラングドシャ(16枚)【のし・包装不可】

(販売元)但馬寿 遊月亭

その他のカテゴリー

| ▼作品(絵画)の目次 | ①[北海道] | ②[東北] | ③[甲信越] | ④[関東] | ④[関東]Ⅱ | ④[関東]Ⅲ | ⑤[東海]Ⅱ  | ⑤[東海]   | ⑥[北陸] | ⑦[近畿]Ⅰ | ⑦[近畿]Ⅱ | ⑦[近畿]Ⅲ | ⑦[近畿]Ⅳ | ⑦[近畿]Ⅴ | ⑧[山陽] | ⑧[山陽]Ⅱ | ⑨[山陰] | ⑩[四国] | ⑪[瀬戸内海] | ⑪[瀬戸内海]Ⅱ_ | ⑫[九州] | ⑬「その他2」 | ⑬「その他」 | ⑭テレコムセンター | ⑭テレコムセンターⅡ | ⑭テレコムセンターⅢ | ⑮温泉 | ⑮温泉Ⅱ | ⑯美作 | ■JR武豊線 | ■radio | ■「その他」 | ■「夕陽Ⅳ | ■「夕陽」Ⅰ | ■「夕陽」Ⅱ | ■「夕陽」Ⅲ | ■「夜景」Ⅰ  | ■「夜景」Ⅱ   | ■「夜景」Ⅲ   | ■「夜景」Ⅳ   | ■「大地」 | ■「山] | ■「山]Ⅱ | ■「川」 | ■「川」Ⅱ | ■「建築物」 | ■「建築物」Ⅱ | ■「建築物」Ⅲ | ■「朝陽」Ⅰ | ■「朝陽」Ⅱ | ■「朝陽」Ⅲ_ | ■「樹木」 | ■「樹木」Ⅱ | ■「海」 | ■「海」② | ■「海」③ | ■「湖沼」 | ■「漁村」 | ■「空」Ⅱ | ■「空」  | ■「花」 | ■「花」Ⅱ | ■「花火」 | ■「花火」Ⅱ_ | ■「農村」 | ■「農村」② | ■「農村」③ | ■「鉄道」 | ■「離島」 | ■「鳥昆虫」 | ■山Ⅲ | ■(その他2) | ■(その他2)Ⅱ | ◇TOPページ | ◇「初冬」 | ◇「初夏」 | ◇「初夏」Ⅱ_ | ◇「初夏」Ⅲ_ | ◇「初春」Ⅱ   | ◇「初春」  | ◇「初秋」Ⅱ  | ◇「初秋」  | ◇井上晴雄 略歴 | ◇個展情報 | ◇季節なし | ◇季節なしⅡ | ◇晩冬 | ◇晩冬Ⅱ | ◇晩夏 | ◇晩春 | ◇晩秋 | ◇黒豆ラングドシャ | 「スポーツ報知」 連載コラム | 「スポーツ報知」 連載コラムⅡ | 「北海道新聞」にて | 「旅の眼」 連載記事 | 「旅行作家」 表紙連載 | 「BC札幌」 連載記事 | 「BC札幌」 連載記事Ⅱ | お客様の感想 | 目次/観光情報