絵画「屋島山上からの夕陽と瀬戸内海の島々」
「屋島山上からの夕陽と瀬戸内海の島々」
絵と文 井上晴雄
屋島は香川県北東部に位置する標高292mの半島形溶岩台地。江戸時代までは海に浮かぶ島だったが、その後に埋め立てが行われ、現在は陸続きの島になった。800年ほど前の源平合戦の舞台としても知られている。
屋島の山上へは、琴電屋島駅またはJR屋島駅からのシャトルバスなどでアクセスすることができる。山上には遊歩道がのび、新屋島水族館や四国88ヵ所札所の屋島寺、史跡の数々などさまざまな見所がある。
山上からの眺めは格別。獅子の霊厳展望台からは高松市街地や瀬戸内海に散らばる島々の多島美を楽しむことができる。夕方になると、木々のシルエットの向こうに広がる瀬戸内海が橙色に染まりはじめた。穏やかな海面はキラキラ輝き、時折漁船がゆっくり船尾を引きながら過ぎていくさまも趣がある。光を受けて万物はその形が次第になくなっていき、日は瀬戸内海の島々の向こうにゆっくり落ちていた。
(「屋島山上からの夕陽と瀬戸内海の島々」絵画と文 井上晴雄 F10号)