・「宍道湖の夕暮れ」(絵画/海のある風景)

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空が焼けて 

さざ波が金色に 染まってきた

陽の暖かさを 全身で感じながら

何も考えることができず

 ただ 湖畔に 佇んでいた

「宍道湖の夕暮れ」             絵画と文:井上晴雄。

 島根県東北部に位置する宍道湖は、松江市、出雲市、斐川町にまたがり広がる湖である。

 湖が形成されたのは1万年以上前と考えられている。北岸を形成する島根半島は、出雲風土記の国引神話のなかにも登場する神話ロマン溢れるエリアだ。

 夕闇が迫るころ、風が止み、空が染まってきた。静かな湖面は、しんと静まり返り、茜色の空を鮮やかに映しだした。嫁ヶ島のシルエットが時の流れとともに、色濃くなっていく。あまりにも美しいひとときに、何も考えることができず、ただ岸に佇んでいた。

 自然が見せてくれる光景は、ときには優しく、ときには厳しい。いや、厳しさがあるからこそ、美しいのかもしれない。空や水のように、濁りがなく、澄みきった心で、日々の出来事を味わっていきたい。

(.絵画と文:井上晴雄。/風景/F50号/2006年制作)

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「砂丘浪漫」(絵画/砂丘や大地の風景)

Sakyu_2 陽がやさしく照らす 砂丘の朝

なだらかな砂の流れを見ているうちに

  幸せとは何か 少しだけ
  分かったような気がした

     「砂丘浪漫」 絵画と文:井上晴雄。 夕刻、西陽が差し込み、砂丘はキラキラと輝きはじめた。向こうの方に、ラクダのシルエットが、ゆったりと横切っていく。 鳥取砂丘は、日本海沿岸に広がる砂礫地帯である。中国山地の花崗岩が風化して、卓越風で流されて形成したといわれている。すり鉢状の砂の窪みは、最大で90mもの高低差に及ぶ。 砂丘は遠望すると、なだらかで美しい。しかし、いざ歩行するとなると、実に困難な場所である、砂に足を踏み入れれば、もう片方の足が埋まり、引き抜こうとすると、また他方の足が砂の中にめり込む。先の風景はすぐそこに見えているのに、なかなか前に進めない。小高い丘を越えたかと思うと、また窪みに入り、また次の丘が、目の前にそびえ立っている。  砂丘を歩く。それは、人が生きるということにも似ているような気がする。ひとつのハードルをクリアしても、また新たな試練が待ち構えている。その次にはまた違う関門が聳えている。その繰り返しである。得てして、生きるとは、辛く厳しいものだといえるかもしれない。そう考えたとき、いかに先を急ぐかよりも、ときには立ち止まりながら、その中に、たくさんの幸せを見つけていく方が、賢明な生き方ではないかと思った。 砂丘を越えきったら、その先には、紺碧の日本海が一面に広がっている。潮風が心地よく吹き抜ける美しい浜辺。私たちは、砂丘の先に、何を夢見て、今日の一歩を進めるだろうか?  

(F4号 風景/絵画と文:井上晴雄。/2007年8月制作)

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さよなら隠岐の島

Oki

祭の音色と緑のそよぎに包まれた島影は 

 ゆっくりと甲板から遠ざかり 

光り輝く海のなかに 

 静かに消えていった 

 さよなら隠岐の島 ありがとう隠岐の島
(絵:井上晴雄。/水彩画/F8号/2007年4月制作)


「さよなら隠岐の島」絵画の説明  

  汽笛の音とともに フェリーは港を離れた。上空には、カモメが優雅に旋回している。これから船は、隠岐の西郷港から、本土の境港に帰ってゆくのだ。
フェリーの甲板に出ると、ひとりの青年が、必死に手を振っていた。入り江には、見送る家族の姿があった。互いに、涙を流しながら、手を振りあっていた。無性に心が温まった。青年は、今から、就職するために、島を離れるのだろうか。
隠岐は、日本海に浮かぶ群島である。境港の北方約50kmに位置し、島根半島の方から、知夫里島、中ノ島、西ノ島、島後島と並び、ちいさな島を入れると、約180の島々が点在している。
船が進むにつれ、島はみるみるうちに小さくなり、ついに光の霧の中に消えていった。

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「森林の滝」

渓流に沿って 森林の奥に分け入っていくと
黒い岩場を伝って 澄んだ水が絶え間なく落ちていた
天から差し込む光は 優美な色彩を 織り成していた

( 絵:井上晴雄./水彩画/F4号)
Taki

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