「新たな旅が始まる」(絵画/鳥や昆虫の風景)
静まり返った大地に
輝く朝陽が顔を出した
何もかもが生命を帯びる感動の瞬間 私も 新たな旅を
またはじめようと思った
「新たな旅がはじまる」 絵画と文:井上晴雄。
長い夜が過ぎ去り、峻険な山々に囲まれた小さな村にも、朝がやってきた。眩いばかりの光は、瞬く間に、深い暗闇に沈んだ村を、あたたかく包み込んだ。ふ と上空を仰ぐと、そこには、東の空を掠め飛ぶ一羽の鳥の姿があった。その羽ばたきは、あまりに力強く、心に響くものがあった。 鳥は、道しるべもないこの厳しい夜を休まずに飛び続けていたに違いない。寒く凍りついた空をたった一羽で。 生きていると、先が見えない暗闇に埋没したり、ときには立ち直れないような悲しい出来事もある。しかし、無心になって前に進んでいれば、必ず夜明けのと きがくる。夜が長く厳しいものであるほど、明るく美しい朝がやってくるように思う。 私も、また新たな旅をはじめようと思った。
(絵画と文:井上晴雄./F8号/風景の絵画/2007年制作)
