・「宍道湖の夕暮れ」(絵画/海のある風景)

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空が焼けて 

さざ波が金色に 染まってきた

陽の暖かさを 全身で感じながら

何も考えることができず

 ただ 湖畔に 佇んでいた

「宍道湖の夕暮れ」             絵画と文:井上晴雄。

 島根県東北部に位置する宍道湖は、松江市、出雲市、斐川町にまたがり広がる湖である。

 湖が形成されたのは1万年以上前と考えられている。北岸を形成する島根半島は、出雲風土記の国引神話のなかにも登場する神話ロマン溢れるエリアだ。

 夕闇が迫るころ、風が止み、空が染まってきた。静かな湖面は、しんと静まり返り、茜色の空を鮮やかに映しだした。嫁ヶ島のシルエットが時の流れとともに、色濃くなっていく。あまりにも美しいひとときに、何も考えることができず、ただ岸に佇んでいた。

 自然が見せてくれる光景は、ときには優しく、ときには厳しい。いや、厳しさがあるからこそ、美しいのかもしれない。空や水のように、濁りがなく、澄みきった心で、日々の出来事を味わっていきたい。

(.絵画と文:井上晴雄。/風景/F50号/2006年制作)

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「しまなみの夕景」(絵画/海のある風景)

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  「今治の夕暮れ」 2007年9月制作

 「社会に出て、よう泣いちょったが、ふるさとの海を眺めるたびに、また頑張ろうと思うてな」。 道すがら、旅人からそんな話を耳にしてから、数年後、彼女の出身地である愛媛県今治市に足を運ぶ機会が訪れた。
 広島県尾道市と愛媛県今治市を結ぶ、しまなみ海道。それを渡り、今治市沿岸部に広がる織田ヶ浜に降り立つと、沖には、先ほど通ってきた芸予諸島の島影が、うっすらと浮かび上がっていた。
 気がつくと、太陽は西に傾き、空は、錦色に染まっていた。風は凪ぎ、透きとおった波がキラキラと輝きながら、静かに押し寄せてくる。いつしか私の心は、あたたかい緋色に染まっていた。
 人の心には、思い出という宝石の数々がある。ただ、大人になり、毎日を忙しく過ごすうちに、いつしか、それらを思い出すことをやめてしまう。そればかりか、目先の損得や地位名誉に目が眩み、次第に心は枯渇していく。心が疲れたとき、少しばかり足を止めてみたい。そして、少年少女だったあの頃の想い出に浸ってみたい。
 海はあたたかく、どこまでもやさしかった。いつのことだったか、遠く過ぎ去った日に見た、あの日の夕陽とどこか似ていて、懐かしさのあまり、涙した。

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大阪平野の夜景(絵画/夜景)

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「大阪の夜景」

彼方には 異国に向けて飛び立つ飛行機のシルエット

生駒山上から見た大阪のまちは 
どこかしら淋しかった
  
ビルが立ちならび
賑やかに栄える大阪のまちは

ただ潤うように美しく輝くだけだった
遠く遠く 
夕暮れにしっとりと溶け込んでいった

(F10号/2007年9月制作/絵画/夜景)

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黒豆の里(宍粟市一宮町)

2sato_1丹波の深い山々の中に 

ちいさな山里が開けていた

澄みきった空気のなか 

やわらかく降り注ぐ秋の陽が

収穫どきの田畑を やさしく照らしていた 

(絵:井上晴雄./水彩画/F50号/2006年9月制作)

 「黒豆の里」

<兵庫県宍粟市一宮町の風景> 解説

 兵庫県姫路市から、30kmほど北上したところに、宍粟市一宮町というまちがある。
播磨国一ノ宮である伊和神社を中心に形成され、古くより、黒豆の産地として
知られているまちだ。
 ときは晩秋。清流揖保川に沿い、山崎、波賀といったちいさな集落を抜け、木々のトンネルや棚田を縫いながら、山坂道を上っていくと、眼下に、明るい集落が姿を現した。
流れる雲の隙間から、野鳥のさえずりが聞こえてくる。空からは、やわらかい秋の日差しが落ち、収穫どきの田畑をやさしく照らしていた。あまりに美しい光景に、立ち尽くした。

 地方のまちに訪れると 都会生活で忘れてしまった何かを ふと思い出すことがある。文明の発展とともに失われた何か。それは、こういった「ふるさと」の光景なのかも
しれない。澄みきった空気、川、太陽、土壌・・
芽を出した苗は、季節が移ろうに従って、葉をつけ、実をつける・・

ここ兵庫県宍粟市一宮町には、私の絵の活動を応援していただいている、株式会社かね善(丹波の黒太郎)様の黒豆畑がある。一宮町の豊かな自然によって育まれた豆は、格別に美味い。豆一粒一粒には、四季の彩と生命の輝きが詰まっている。

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・「今治・織田が浜の夕暮れ」

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(F50号/水彩画/2006年制作)


「今治・織田が浜の夕暮れ」作品説明

松林の暗がりをおりてゆくと、夕陽が西の空を茜色に焦がしながら、ゆっくりと水平線に落ちようとしていた。砂浜は、まるで星屑のように光り、静かな波がキラキラと輝きながら、浜辺に打ち寄せていた。波が静かにひき、沖にしまなみの島々がかすみゆく・・。

その光景を見たとき、遠い日に見た夕日をふと思い出した。小さい子供だった頃、日が暮れるのを忘れて遊んだ。野山を探検して見上げた秋の空は、ただただ美しかった

 人生には、かけがえのないひとときがある。一生をかけても、二度と訪れることのない貴重なときがある。すべては一生に一度の奇跡。日々の出来事をしっかりと心に刻みながら、たくさんの思い出を大切に、生きていきたい

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「森林の滝」

渓流に沿って 森林の奥に分け入っていくと
黒い岩場を伝って 澄んだ水が絶え間なく落ちていた
天から差し込む光は 優美な色彩を 織り成していた

( 絵:井上晴雄./水彩画/F4号)
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