宮本武蔵駅のある智頭急行を行く

「宮本武蔵駅のある智頭急行を行く」

                     絵と文 井上晴雄

 全国には珍しい駅名がいろいろあるが、岡山県には宮本武蔵駅という歴史的人物の名を冠した駅がある。付近が剣豪・宮本武蔵のふるさとだと伝わることから名づけられた駅だ。宮本武蔵駅があるのは兵庫県の上郡から鳥取県の智頭に至る智頭急行智頭線の沿線。岡山県の北東部に広がる美作市に位置する。

 

80_img_5489

ある晴れた日の昼下がり、JR山陽本線の電車で兵庫県赤穂郡の上郡駅まで出て智頭急行の普通列車に乗り込んだ。青色と白色をベースにした一両編成の気動車はトンネルを貫きながら千種川に沿う山間をゴトゴト北上していく。平成6年(1994年)に開通した智頭急行は全長56.1kmの第三セクターの鉄道である。連なる山々の間に広がる田園や小さな集落を映しだしながら、星空がきれいなまち佐用町を過ぎると列車は岡山県美作市に入っていく。

 

上郡駅から40分ほど列車に揺られ到着した宮本武蔵駅は小さな無人駅だった。裏山には山水が澄んだ音を立て、田畑のわきには紫陽花がピンク色に水色に染め競っている。宮本武蔵駅で途中下車し15分ほど南にのびる道をたどると「武蔵の里」と称される一帯にたどり着く。天正12年(1584年)に生まれた宮本武蔵はその長閑な山里で幼少期を過ごしたと伝えられている。界隈には宮本武蔵生誕地記念碑や生家跡、二刀流を編み出したとされる讃甘神社など武蔵ゆかりの史跡が多く残されていた。

 

宮本武蔵駅を出ると智頭急行の列車は因幡街道をなぞりながら大原宿の最寄駅である大原駅へと向かう。因幡街道の宿場町として発展した大原は、なまこ壁や虫籠窓の町家が並ぶ往時の風情を色濃く残すまちだ。鳥取県に入り、駅がピンク色で恋が叶うとされる恋山形駅を出ると終点の智頭駅までは6kmほど。智頭駅はかつて鳥取県最大級の宿場町として栄えた智頭宿の最寄駅。因幡街道と備前街道が合流する地にある智頭宿には杉玉を下げた古い家々が連なりこちらもまた味わい深い。

(智頭急行と宮本武蔵駅 絵と文 井上晴雄/『旅の眼122号』掲載)

絵画「初夏の川」 絵と文:井上晴雄

絵画「初夏の川」 (「初夏の揖保川」/絵画と文 井上晴雄./風景/国内旅行/絵画風景/2008年7月制作)

.

.

.

.

.

Continue reading "絵画「初夏の川」 絵と文:井上晴雄"

絵画「黒豆畑の絵」 絵と文:井上晴雄

絵画「黒豆畑の絵」 「黒豆畑の絵」(絵画と文:井上晴雄)

(2008年 8月制作)

→地図(兵庫県 宍粟)

絵画「ホタルの夜(昆虫のいる風景)」   絵と文 井上晴雄

絵画「ホタルの夜」/夜景 静かな森林を抜けると
夜空に 無数のホタルが舞っていた
それは 心躍る夢の世界

悲しみも 淋しさも
すべては光のなかに溶け込んでいく
森林の幸せを願いつづける 優しい光の渦に

(作品:F8号  2007年7月制作 /夜景鑑賞士(夜景検定)一級/絵画と文:井上晴雄。/昆虫のいる風景//旅行/旅)




       「ホタルの夜」       絵文:井上晴雄。
                  
静かな渓流の音にさそわれ、森のなかに入っていくと、暗がりのなか、ポツンポツンとホタルの灯があらわれた。ともったかと思うと消え、消えたかと思うとともる
ちいさな光ひとつひとつが 夜の闇をほのかに滲ませ、まるで星屑のように、森を彩っていた。

かつて日本では、そんな、ホタルの飛び交う光景が、田畑の至るところに見られたという。水はどこまでも澄みきり、まちは、豊かな緑や花々に彩られていた。しかし、近年、そんなホタルの光景はめっきり見られなくなってしまった。工業地帯や住宅地が広がり、田畑や山々は埋められてしまったのだ。
時代の流れとともに、人間は、ものの豊かさを享受してきた。しかし、その一方で、失ってきたものもある。そろそろ、失ったものを取り戻さなければならないのではないだろうか?ホタルが住める美しい川、それもそのひとつであろう。


□九州地方の旅行ガイドを見る

Continue reading "絵画「ホタルの夜(昆虫のいる風景)」   絵と文 井上晴雄"

絵画「ふるさと列車~島原鉄道~(絵画/鉄道の風景)」 長崎県南島原市 絵と文:井上晴雄

絵画「島原鉄道の風景」

木造の古びた駅舎

旅立つ青年を乗せた列車は ついに 
動きはじめた

 線路の先を見ようとしたが

 かすんで なにも見えなかった

秋の陽が プラットホームに

やさしく 降り注いでいた

(F10号/2007年10月制作/絵画/鉄道の風景)

       「ふるさと列車~島原鉄道~」 (長崎県南島原市)

                                絵と文:井上晴雄

 島原は、長崎県南東部に位置する古い城下町である。格子窓や白壁を構える武家屋敷跡の並びを抜け、風鈴の音色のこだまを聞いているうちに、身も心も、いつしか昭和年代にタイムスリップしてしまう。そんなまちを通り、有明海に沿って走るのが島原鉄道。現在も、昭和30~40年代に活躍したレトロな列車が、少し前まで運行していた。
    青年が旅立つ日、プラットホームには、見送る年老いた母の姿があった。空には粉雪のように光が舞い、普段と何変わることなく、古びた木造駅舎をやさしく包み込んでいた。汽笛が鳴り、列車は、ゆっくりとホームを離れたのだった。

(絵画「ふるさと列車~島原鉄道~(絵画/鉄道の風景)」 /長崎県南島原市/作品 :絵と文:井上晴雄)

→地図(長崎県 島原)

小麦畑とローカル線(絵画/鉄道のある風景)

絵画「小麦畑とローカル線」/風景
小麦畑を割って ちいさな電車が走る
そんな風景に憧れて 旅に出た

窓を開けて みどりの風をの音をきく
それだけで うれしかった

 喜びながら生きる
 それが旅というものかもしれない

(F4号  2007年6月制作 絵画 鉄道のある風景)

Continue reading "小麦畑とローカル線(絵画/鉄道のある風景)"

絵画「初夏の渓流」(絵画/川のある風景)  絵と文:井上晴雄

絵画「初夏の渓流」/風景   光と影が交錯する森の奥に

清らかな川の流れがあった

 美しき生命の源 雄大なる大地の鼓動

(絵:井上晴雄./F8号/2007年5月制作/絵画 川のある風景)

(奥入瀬渓流の情報) →奥入瀬渓流とは  →奥入瀬渓流 周辺の宿 奥入瀬渓流 周辺のご当地グルメ

絵画「南国の風(」空のある風景)  絵と文:井上晴雄

絵画「南国の風」/風景

 嵐が過ぎ去ったあと

一艘の小舟は 穏やかな南の海を漂っていた

上空には 群青の空が流れ

自然と心の境界線がなくなっていた

旅人が求めていたのは

 こんなひとときだったのかもしれない

(絵画と文 井上晴雄./F4号/作品 2007年5月制作/絵画 空のある風景)

Continue reading "絵画「南国の風(」空のある風景)  絵と文:井上晴雄"

「ホタルの樹」     絵画

絵画「ホタルの樹」/夜景

(2008年7月制作/絵画と文/旅の風景/旅行/ホタルの樹/国内旅行/絵文 井上晴雄 絵画 作品集)

井上晴雄の絵画を使った銘菓「黒豆ラングドシャ」好評発売中です

井上晴雄の絵画を使った銘菓「黒豆ラングドシャ」好評発売中です

井上晴雄の絵画「黒豆畑と青空」が 、チョコレート菓子「黒豆ラングドシャ」のパッケージになりました。黒豆の粉をまぶしたビスケット風の生地に、ほんのり甘いミルクチョコレートが入っているお菓子です。

Photo_5

お菓子のフタを開けたら、内パッケージに印刷されている当絵画が現れるようになっています。黒豆畑の風景を描いた絵画を眺めながら、お菓子の美味しさをゆっくりと味わっていただければという、思いを込めています。

以下、「黒豆ラングドシャ」を販売している実店舗です(2013年7月現在)





・荒湯観光センター(新温泉町 土産屋)
・株式会社井筒屋(新温泉町・旅館)
・株式会社朝野屋(新温泉町・旅館)
・但馬牧場公園(新温泉町・施設)
・ハートイン福知山(京都府福知山市・キヨスク)
・株式会社ドライブインやくの(京都府福知山市・ドライブイン)
・株式会社フレッシュあさご(兵庫県朝来市・道の駅)
・株式会社HOTEL KOSHO(兵庫県豊岡市・ホテル)
・ドライブインやまがた屋(京都府・ドライブイン)

   (以上 敬称略)

通販はこちら>>全国のお土産・手土産大集合!黒豆ラングドシャ(16枚)【のし・包装不可】

(販売元)但馬寿 遊月亭

その他のカテゴリー

| ▼作品(絵画)の目次 | ①[北海道] | ②[東北] | ③[甲信越] | ④[関東] | ④[関東]Ⅱ | ④[関東]Ⅲ | ⑤[東海]Ⅱ  | ⑤[東海]   | ⑥[北陸] | ⑦[近畿]Ⅰ | ⑦[近畿]Ⅱ | ⑦[近畿]Ⅲ | ⑦[近畿]Ⅳ | ⑦[近畿]Ⅴ | ⑧[山陽] | ⑧[山陽]Ⅱ | ⑨[山陰] | ⑩[四国] | ⑪[瀬戸内海] | ⑪[瀬戸内海]Ⅱ_ | ⑫[九州] | ⑬「その他2」 | ⑬「その他」 | ⑭テレコムセンター | ⑭テレコムセンターⅡ | ⑭テレコムセンターⅢ | ⑮温泉 | ⑮温泉Ⅱ | ⑯美作 | ■JR武豊線 | ■radio | ■「その他」 | ■「夕陽Ⅳ | ■「夕陽」Ⅰ | ■「夕陽」Ⅱ | ■「夕陽」Ⅲ | ■「夜景」Ⅰ  | ■「夜景」Ⅱ   | ■「夜景」Ⅲ   | ■「夜景」Ⅳ   | ■「大地」 | ■「山] | ■「山]Ⅱ | ■「川」 | ■「川」Ⅱ | ■「建築物」 | ■「建築物」Ⅱ | ■「建築物」Ⅲ | ■「朝陽」Ⅰ | ■「朝陽」Ⅱ | ■「朝陽」Ⅲ_ | ■「樹木」 | ■「樹木」Ⅱ | ■「海」 | ■「海」② | ■「海」③ | ■「湖沼」 | ■「漁村」 | ■「空」Ⅱ | ■「空」  | ■「花」 | ■「花」Ⅱ | ■「花火」 | ■「花火」Ⅱ_ | ■「農村」 | ■「農村」② | ■「農村」③ | ■「鉄道」 | ■「離島」 | ■「鳥昆虫」 | ■山Ⅲ | ■(その他2) | ■(その他2)Ⅱ | ◇TOPページ | ◇「初冬」 | ◇「初夏」 | ◇「初夏」Ⅱ_ | ◇「初夏」Ⅲ_ | ◇「初春」Ⅱ   | ◇「初春」  | ◇「初秋」Ⅱ  | ◇「初秋」  | ◇井上晴雄 略歴 | ◇個展情報 | ◇季節なし | ◇季節なしⅡ | ◇晩冬 | ◇晩冬Ⅱ | ◇晩夏 | ◇晩春 | ◇晩秋 | ◇黒豆ラングドシャ | 「スポーツ報知」 連載コラム | 「スポーツ報知」 連載コラムⅡ | 「北海道新聞」にて | 「旅の眼」 連載記事 | 「旅行作家」 表紙連載 | 「BC札幌」 連載記事 | 「BC札幌」 連載記事Ⅱ | お客様の感想 | 目次/観光情報