絵画「糸島の夕景」(福岡県)

当絵画は、福岡県糸島市の海岸を描いた一枚である。糸島市は福岡市の中心部から西に 20 ㎞ほど。樹木がうねるちいさな農村地帯を抜けると、目の前には広々とした玄界灘が広がった。

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 「糸島の夕景」



海岸線に沿って「志摩サンセットロード」と呼ばれる夕日の名所として知れる道が 33 ㎞にわたりのびており、長い浜辺にはゆったりと波が打ち寄せていた

夕方になると、キラキラ光る海はオレンジ色に染まっていった。浜辺にごろごろ転がる岩がシルエットになり無数の色彩が乱舞しはじめる。

夕映えが浜辺を包むとともに海岸線の風景は刻一刻と変化していく。潮の流れ、波の音、陽のあたたかさ、水や空の色・・その変化に富んだうつくしい夕暮れの風景に心打たれた。 

何万年という長い歴史のなかで、日が昇り沈みゆくことが、幾度となく繰りかえされてきた。しかし、そのなかで同じ一瞬というものは一度もなかったはずだ。そしてその一瞬一瞬のなかに輝きがあったように思う。

私たち人間も同じかもしれない。刻一刻と変化するときを大切に、そこに感動を探しながら生きていくこと。それが生き生きとした毎日につながるのかもしれない。

    (絵画「糸島の夕景」F15号 水彩画 /2019年 井上晴雄 作)

「御船ヶ丘梅林の風景」(佐賀県武雄市)

「御船ヶ丘梅林の風景」(佐賀県武雄市)
先日、佐賀県の西部に位置する武雄市に足を運ぶ機会があった。武雄市は随所に歴史風情が漂うまちだ。
 
JR武雄温泉駅を降りたった日のこと、駅付近を散策していると目の前に不思議な形の山がそびえているのが見えた。地元の人が、それは御船山という山であると教えてくれた。西暦200年頃、神功皇后が新羅からの帰りに船をつないでいた場所。それが現在の御船山の名の由来であるのだそうだ。
 
御船山の方角に15分ほど歩くと、その麓に武雄神社という神社が立っていた。鳥居や石垣は苔むしていて、いかにも古びた神社である。境内の一角には武雄神社の御神木であるという大きな楠の木が立っていた。幹周は20mにも及びその樹齢は何と3000年。社伝によると武雄神社は武内宿禰など日本書紀に登場する人物を祀っているとのこと。その歴史の長さに驚かされた。
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不思議な気持ちに包まれながら、看板に沿って坂をのぼっていくと、視界いっぱいに、梅の花が咲き誇る風景が広がった。御船山の東山麓に広がる御船ヶ丘梅林である。紅色に白色にと3000本もの梅の木々が連なっている。これらの梅の木は1942年に植樹されたのだそうだ。
 
春のうららかな陽光の下、辺りには梅の花の甘い香りが立ち込めている。その春の到来を感じさせてくれるやさしくもエネルギーに満ちた空間を自分なりに絵画で表現してみた。
 
 
自然は何も語ることもなくただ泰然としているように見えるが、毎年忘れずに若葉が芽吹き、美しい花を咲かせて私たちを楽しませてくれる。その当たり前に映るできごとになぜか深い感動を覚えた。自然の長い視座でものごとを観たとき、今の時代は果たしてどう映るのだろうか。
 
(「御船ヶ丘梅林の風景」(佐賀県武雄市)/2019年3月制作/F10号/絵と文 井上晴雄)

かつて炭鉱で栄えた路線、JR日田彦山線を旅する (絵画と文)井上晴雄

かつて炭鉱で栄えた路線、JR日田彦山線を旅する                

                                      絵と文 井上晴雄
 

 久しぶりに九州にやってきた。北九州市の小倉駅に着くと大分県の日田へ向かう二両編成の気動車がホームの端から出発しようとしていた。

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 小倉駅を後にした日田行の気動車はJR日豊本線をしばらく走ると、城野駅からJR日田彦山線に入る。JR日田彦山線は全長68.7kmの路線で、もとは筑豊地域や平尾台で産出した石炭や石灰石を運ぶ目的で敷かれた路線だ。
 
 
 志井公園駅を過ぎるとのどかな田畑が車窓に広がり、その先には石灰岩の山々が連なりはじめる。銅を扱った採銅所駅や石灰石を扱った香春駅などを過ぎ、かつて炭鉱地帯の中核として栄えた田川伊田駅で途中下車した。  
 
  田川伊田駅から5分ほど坂道を上ると石炭記念公園があり、炭坑節で唄われた2本の煙突や、石炭を輸送したSL、竪坑櫓などを見学できた。ちなみに炭坑節は炭鉱労働のなかで自然発生した民謡で田川市を発祥とする。そのなかにこのような節がある。「香春岳から 見下ろせば 伊田の竪坑が 真正面 12時下がりの サマちゃんが ケージにもたれて 思案顔 サノヨイヨイ・・」

  石炭記念公園の一角からは、そんな炭坑節に登場する香春岳の山容を一望することができる。石炭の衰退から久しく、眼下に広がる伊田のまちなみからは、当時の面影をうかがい知ることは難しい。ただ、石灰岩が削られ平らな形になった香春岳の山容がその歴史を物語っているようで、何ともいえない気持ちになった。  
 田川伊田駅から再び日田行の普通列車に乗車。添田駅を過ぎると英彦山の峠越えだ。緑の山々が両側から迫り、列車は力強く山間のカーブを描く。彦山駅を出ると全長4380mの釈迦山トンネルに入る。出口がなかなか見えてこない長いトンネルから出ると筑前岩屋駅に到着。既に日は落ち、薄藍色に染まった山々ではヒグラシが美しい音色を奏でていた。  
 木造駅舎の宝珠山駅を過ぎると列車は大分県に入る。夜明駅からJR久大本線に入ってしばらく走ると終点の日田駅にたどり着く。
 
      (「かつて炭鉱で栄えた路線JR日田彦山線を旅する 絵と文 井上晴雄/『旅の眼121号』掲載)

絵画「唐津の花火大会」 佐賀県唐津市     絵と文 井上晴雄

絵画「唐津の花火大会」(佐賀県唐津市)                絵と文 井上晴雄

 唐津は、佐賀県北西部に位置する城下町。旧唐津藩の古い町並みが松浦川に沿ってつづいている。玄界灘を見下ろす小高い山の上には、唐津城がそびえている。今から約400年前、初代唐津藩主、寺沢広高によって築かれた城である。絵画「唐津の花火」

 ひぐらしが鳴きやんだ頃、天守閣の向こうから、花火が上りはじめた。そのきらめきを見た人々は一斉に歓声を上げた。次々と咲く、大輪の花々に魅了されているうちに、いつしか私の心は、天空とひとつになっていた。

(作品:2009年7月制作/F12号/唐津の花火大会/佐賀県 唐津市/絵と文:井上晴雄)

・花火の見える宿

・唐津の観光情報

絵画「高千穂渓谷」宮崎県西臼杵郡高千穂町  絵と文:井上晴雄

絵画「高千穂渓谷の風景」

「高千穂渓谷」 宮崎県西臼杵郡高千穂町

     (絵画と文) 井上晴雄。

 森の奥深くに、清水は万緑を映しだし、光が華やいでいた。
真名井の滝が激しい音を立て、しぶきをあげていた。

宮崎県の名勝 高千穂渓は、五ヶ瀬川に沿ってつづく侵食谷である。12万年前と9万年前に起きた阿蘇山の噴火により、流れ出た溶岩流が、冷え固まって形成された地形だ。

 サファイアのように澄んだ水は瑞々しい四季の彩り

ときがつくりだした命の泉

(作品:2008年7月制作/絵画と文/F4号/旅の風景/旅行/宮崎県西臼杵郡高千穂町/国内旅行/井上晴雄 絵画 作品集)

絵画「ホタルの夜(昆虫のいる風景)」   絵と文 井上晴雄

絵画「ホタルの夜」/夜景 静かな森林を抜けると
夜空に 無数のホタルが舞っていた
それは 心躍る夢の世界

悲しみも 淋しさも
すべては光のなかに溶け込んでいく
森林の幸せを願いつづける 優しい光の渦に

(作品:F8号  2007年7月制作 /夜景鑑賞士(夜景検定)一級/絵画と文:井上晴雄。/昆虫のいる風景//旅行/旅)




       「ホタルの夜」       絵文:井上晴雄。
                  
静かな渓流の音にさそわれ、森のなかに入っていくと、暗がりのなか、ポツンポツンとホタルの灯があらわれた。ともったかと思うと消え、消えたかと思うとともる
ちいさな光ひとつひとつが 夜の闇をほのかに滲ませ、まるで星屑のように、森を彩っていた。

かつて日本では、そんな、ホタルの飛び交う光景が、田畑の至るところに見られたという。水はどこまでも澄みきり、まちは、豊かな緑や花々に彩られていた。しかし、近年、そんなホタルの光景はめっきり見られなくなってしまった。工業地帯や住宅地が広がり、田畑や山々は埋められてしまったのだ。
時代の流れとともに、人間は、ものの豊かさを享受してきた。しかし、その一方で、失ってきたものもある。そろそろ、失ったものを取り戻さなければならないのではないだろうか?ホタルが住める美しい川、それもそのひとつであろう。


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絵画「長崎の夜景」(絵画/夜景のある風景)長崎県長崎市   絵と文:井上晴雄。

絵画「長崎の夜景(稲佐山)」 戦後六十年
稲佐山の上から
長崎の夜景を 一晩中眺めた

宝石を散りばめたような
まちの灯りを見ながら ふと思った

 生きるとは
 心のなかに 想い出という灯で
かけがえのない夜景を つくることではないか

     「長崎の夜」 長崎県長崎市

                 絵と文:井上晴雄

1945年(昭和20年)8月9日午前11:02。上空を飛ぶ一機の飛行機から、長崎市内に向けて原子爆弾が投下された。爆弾は、長崎市の中心部から約3km離れた浦上地区において炸裂。閃光とともに上空にキノコ雲が上がった。爆風と灼熱地獄がまちを襲い、一瞬にして、市内の建物の36%が全燃・倒壊、7万2千人もの尊い命が失われた。辛うじて生き残った人々にも、その後、放射能を帯びた死の灰と雨が降り注ぐこととなる。人々は絶望の底に沈み、まちは暗闇に包まれた。

 終戦から約60年の年月が経つ日、私は、長崎市内を望む稲佐山に登った。鬱蒼と茂る木々の並びを抜けていくと、目の前に、煌めく無数の灯りの渦が広がった。あまりの美しさに立ちすくんだ。

 その夜景を眺めたとき、長崎が、原子爆弾の被災地だということを一瞬忘れてしまった。その明かりの数々は、優雅そのものだったからだ。ただ紛れもなく、長崎市の戦後は、あの一瞬からはじまった。無言でキラキラ輝くその光の渦を見たとき、涙が止まらなかった。暗闇に包まれた死のまちから、ここまで辿りつくまでには、想像を絶する労苦があったに違いない。この明かりは、60年という歳月をかけて、人々が手と手を取り合ってまちを復興させてともした、命の明かりなのだ。

 現代は、衣食住が当たり前に提供される時代となり、戦争は、昔話として風化されつつある。しかし、私たちは、戦争でたくさんの大切なものを失ったことを忘れてはならない。また、今現在も その後遺症で苦しんでいる方が多数おられることも知っておかねばならない。

長崎の夜景を見渡しながら、この美しい明かりを二度と消してはならないと思った。
世界に恒久の平和が訪れるよう、祈りを込めて絵筆を強く握りしめた

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(作品:2007年8月制作/F12号/長崎県長崎市/夜景鑑賞士(夜景検定)1級/絵画と文:井上晴雄/風景)

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絵画「ふるさと列車~島原鉄道~(絵画/鉄道の風景)」 長崎県南島原市 絵と文:井上晴雄

絵画「島原鉄道の風景」

木造の古びた駅舎

旅立つ青年を乗せた列車は ついに 
動きはじめた

 線路の先を見ようとしたが

 かすんで なにも見えなかった

秋の陽が プラットホームに

やさしく 降り注いでいた

(F10号/2007年10月制作/絵画/鉄道の風景)

       「ふるさと列車~島原鉄道~」 (長崎県南島原市)

                                絵と文:井上晴雄

 島原は、長崎県南東部に位置する古い城下町である。格子窓や白壁を構える武家屋敷跡の並びを抜け、風鈴の音色のこだまを聞いているうちに、身も心も、いつしか昭和年代にタイムスリップしてしまう。そんなまちを通り、有明海に沿って走るのが島原鉄道。現在も、昭和30~40年代に活躍したレトロな列車が、少し前まで運行していた。
    青年が旅立つ日、プラットホームには、見送る年老いた母の姿があった。空には粉雪のように光が舞い、普段と何変わることなく、古びた木造駅舎をやさしく包み込んでいた。汽笛が鳴り、列車は、ゆっくりとホームを離れたのだった。

(絵画「ふるさと列車~島原鉄道~(絵画/鉄道の風景)」 /長崎県南島原市/作品 :絵と文:井上晴雄)

→地図(長崎県 島原)

絵画「南国の風(」空のある風景)  絵と文:井上晴雄

絵画「南国の風」/風景

 嵐が過ぎ去ったあと

一艘の小舟は 穏やかな南の海を漂っていた

上空には 群青の空が流れ

自然と心の境界線がなくなっていた

旅人が求めていたのは

 こんなひとときだったのかもしれない

(絵画と文 井上晴雄./F4号/作品 2007年5月制作/絵画 空のある風景)

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井上晴雄の絵画を使った銘菓「黒豆ラングドシャ」好評発売中です

井上晴雄の絵画を使った銘菓「黒豆ラングドシャ」好評発売中です

井上晴雄の絵画「黒豆畑と青空」が 、チョコレート菓子「黒豆ラングドシャ」のパッケージになりました。黒豆の粉をまぶしたビスケット風の生地に、ほんのり甘いミルクチョコレートが入っているお菓子です。

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お菓子のフタを開けたら、内パッケージに印刷されている当絵画が現れるようになっています。黒豆畑の風景を描いた絵画を眺めながら、お菓子の美味しさをゆっくりと味わっていただければという、思いを込めています。

以下、「黒豆ラングドシャ」を販売している実店舗です(2013年7月現在)





・荒湯観光センター(新温泉町 土産屋)
・株式会社井筒屋(新温泉町・旅館)
・株式会社朝野屋(新温泉町・旅館)
・但馬牧場公園(新温泉町・施設)
・ハートイン福知山(京都府福知山市・キヨスク)
・株式会社ドライブインやくの(京都府福知山市・ドライブイン)
・株式会社フレッシュあさご(兵庫県朝来市・道の駅)
・株式会社HOTEL KOSHO(兵庫県豊岡市・ホテル)
・ドライブインやまがた屋(京都府・ドライブイン)

   (以上 敬称略)

(販売元)但馬寿 遊月亭

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  • 1998.07.17

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