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絵画「東尋坊の夕陽」(福井県坂井市) 絵と文 井上晴雄 


「東尋坊の夕陽」(福井県坂井市)

                                       絵画と文 井上晴雄

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 北陸随一の景勝、東尋坊へは、三国観光ホテル(東尋坊温泉)から車で10分ほど。台風が過ぎ去った秋晴れの日、東尋坊に向かうバスを降りると、岬は夕陽色に染まっていた。眼下には、巨大な奇岩群が海中から突き出して連なり、その先には、日本海の大海原が、沈みゆく太陽を映しながらキラキラ輝いている。光る波がゆっ
たりと岸壁に打ち寄せ、何もかもが幸せに包まれるひととき。淡く霞む沖には、東尋坊を巡る遊覧船が船尾を引いて、ゆっくりと横切っていく。

  東尋坊は、福井県坂井市の北西端にある海食崖である。高さ25mにも及ぶ輝安山岩の岩柱が約1kmにわたりつづく。その厳しい自然環境からも、東尋坊には、悲哀に満ちた伝説が数多く語り継がれてきた。しかし時代は流れ、現代では「恋人の聖地」として広く知られるようになった。東尋坊に降り注ぐやさしい陽の光に包まれて、恋人たちは、今日も永遠の愛を誓い合う。

      

  日が水平線に吸い込まれると、残照が海面を仄かに照らし、東尋坊はうす藍色のなかに次第に溶け込んでいく。沖には、ポツリポツリと漁火が灯りはじめた。

   「東尋坊の夕陽」 (福井県坂井市)/日本の風景/絵と文 井上晴雄/2011年10月制作

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