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絵画「近江商人屋敷にて(そろばんのある光景)」滋賀県東近江市五個荘 絵と文:井上晴雄

絵画「近江商人屋敷にて」

  「近江商人屋敷にてそろばんのある風景)」                                                 絵画 井上晴雄    滋賀県東部にある東近江市 五個荘に訪れた。JR能登川駅を出たバスは、湖東平野を割って走り、窓外には、赤や黄に色づく山並みが遠ざかってゆく。 五個荘は、かつて、天秤棒を担いだ近江商人たちが活躍したことから「てんびんの里」という愛称で呼ばれている。五個荘 金堂地区などが重要伝統的建造物群保存地区に指定され、現在でも、界隈では、明治時代前後の風景を見ることができる。 平日ということもあり、まちは、ひっそりとしていた。路地を曲がると、白壁の土蔵や、格子を構えた商家が次々と現れた。  近江商人屋敷の一軒に入ると、黒光りする土間の先に、書院造りの広間が広がった。畳の香りと木のぬくもり。壁には、ボンボン時計が、静かにときを刻んでいる。窓からは、晩秋の陽光がやさしく差し込んでいた。 古びた机の上には、橙色に変色した台帳と、黒ずんだソロバンが置かれてあった。 まるで時代を遡ったかのような光景に、その場を動けなくなった。  年月が過ぎるとともに、古いものは少しずつ淘汰され滅びゆく。しかし、それらに触れ原点に戻ったとき、新たなものを生みだす力が生まれてくるような気がする →地図(滋賀県 近江八幡) (2009年12月制作/「近江商人屋敷にて(そろばんのある風景)/絵と文:井上晴雄/滋賀県 東近江市 五箇荘)

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