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絵画「線路のある風景」  絵と文:井上晴雄

 「線路のある光景」                             絵と文 井上晴雄. 私は、ローカル線の旅が好きである。なかでも、急がずのんびりとした旅に惹かれる。鉄橋を渡り、トンネルを抜け、海が開け・・そんな万華鏡のように移り変わる窓外の風景に、魅了されてやまないのだ。そこには、延々とつづく「線路の光景」がついてまわる。レールの先を眺めているうちに、「この先にはどんな風景が待っているのだろう?」「山の向こうにはどんなまちが広がっているのだろう?」などと、さまざまなな想像が駆け巡る。ローカル線の多くは、山や川に沿って曲がっているため、線路の遥か先を見ることができない。しかし、前に進んでいけば、新しい風景が開けてくる。ローカル線の旅は、どこか私たちの人生と似ているような気がしてならない。

絵画「線路のある風景」

             現代の社会では、指定された目的地に、いかに速く最短ルートで到達できるかを求められがちだ。それは悪いことではない。しかし、ときには立ち止まってみたり、途中下車したり、或いは、他人と違った目的地を掲げてもいいのではないかと思うことがある。いかに模範的に生きるかどうかよりも、大切なのは、「今この瞬間」の出来事をいかに楽しみ、レールの先に何を見るかではないかと思うからだ。 線路には夢をつくりだす力がある。まだ見ぬ未来の光景。それが、一本のレールの先に輝いていて見えたとき、人は心の奥底から幸せを感じるのかもしれない。二度と繰り返されない、人生という旅。一瞬一瞬の光景に、胸ときめかせて生きていきたいと思う。 (風景/線路のある風景/作品:絵と文 井上晴雄/2009年6月制作)

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