黒豆の里(宍粟市一宮町)
ちいさな山里が開けていた
澄みきった空気のなか
やわらかく降り注ぐ秋の陽が
収穫どきの田畑を やさしく照らしていた
(絵:井上晴雄./水彩画/F50号/2006年9月制作)
「黒豆の里」
<兵庫県宍粟市一宮町の風景> 解説
兵庫県姫路市から、30kmほど北上したところに、宍粟市一宮町というまちがある。
播磨国一ノ宮である伊和神社を中心に形成され、古くより、黒豆の産地として
知られているまちだ。
ときは晩秋。清流揖保川に沿い、山崎、波賀といったちいさな集落を抜け、木々のトンネルや棚田を縫いながら、山坂道を上っていくと、眼下に、明るい集落が姿を現した。
流れる雲の隙間から、野鳥のさえずりが聞こえてくる。空からは、やわらかい秋の日差しが落ち、収穫どきの田畑をやさしく照らしていた。あまりに美しい光景に、立ち尽くした。
地方のまちに訪れると 都会生活で忘れてしまった何かを ふと思い出すことがある。文明の発展とともに失われた何か。それは、こういった「ふるさと」の光景なのかも
しれない。澄みきった空気、川、太陽、土壌・・
芽を出した苗は、季節が移ろうに従って、葉をつけ、実をつける・・
ここ兵庫県宍粟市一宮町には、私の絵の活動を応援していただいている、株式会社かね善(丹波の黒太郎)様の黒豆畑がある。一宮町の豊かな自然によって育まれた豆は、格別に美味い。豆一粒一粒には、四季の彩と生命の輝きが詰まっている。
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