新聞での連載コラムがスタートします
兵庫県と鳥取県との県境に近い、ちいさな農村に訪れた。雪に閉ざされていた野山は、いつしか春の光景に様変わりしていた。畦道には、菜の花やレンゲソウが可憐に咲き乱れ、小川からは、軽やかな瀬音が聞こえてくる。
小径を歩いていくと、明るい段々畑が広がった。そこには、おばあさんたちが、農作業に勤しむ姿があった。まるで春の到来を全身で喜ぶようかのように、懸命に田畑を耕し種を蒔いている姿が印象に残った。ここから農作物が育っていくのだ。
季節は、毎年、正確に巡ってくる。春になると若葉が芽吹き、夏になると、入道雲が湧きあがる。一見すると、ごく当たり前のことかもしれない。ただ、ふと立ち止まってみると、その平凡なことが至極、奇跡的でありがたいことに思えてならない。
(「春先の農村風景」/播磨/自然/農村の風景/絵画と文:井上晴雄./国内旅行/風景/風景絵画)
小豆島は香川県に属し、瀬戸内海に浮かぶ島。温暖な気候のもと、オリーブの栽培や、醤油の生産が盛んな島である。小豆島は、昭和27年(1952年)壺井栄氏が発表した小説「二十四の瞳」の舞台としても知られる。昭和3年(1928年)から終戦翌年までの激動の時代を生きた、大石教導と12人の教え子たちの物語。それから現在までに、60年以上の歳月が流れた。 「二十四の瞳」に登場する「岬の分教場」とはどんな学校だったのだろうか。さまざまな思いを馳せながら、小豆島に足を運んだ。
小豆島南部にある安田から「岬の分教場」までは一本道である。自転車で緑のトンネルを抜けていくと、次第に、視界に海が広がってくる。紺碧の海を眺めながら、岬の突端を目指してひた走ってゆくと、オリーブの葉が静かにそよぎ、陽があたたかく海面を照らしていた。
「岬の分教場」は、海のすぐ傍に現存していた。昔ながらの木造の佇まい。建物の中に入ると、暗がりのなかに、黒光りする廊下が続いていた。シーンと静まり返り、ひんやりとしている。ガラガラと、重たい扉を開けて教室に入ると、窓から差し込む、やわらかな光のなかに、古びた椅子と机が並んでいる光景が目に飛び込んできた。懐かしい思い出の数々が甦り、その場を動けなくなった。
ときが経っても変わらないものがある。学生時代の思い出。それもそのひとつだろう。いつまでも色褪せることなく脳裏に焼きついている。それらを心の宝物として大切にあたためながら、今後も歩んでいきたいと思う。上空を仰ぐと、青空に虹色の雲がゆっくりと流れていた。
(「学校 小豆島 岬の分教場」/国内旅行/旅/風景/絵画/香川県 小豆島)
黒豆の老舗として知られる株式会社かね善様、株式会社丹波の黒太郎様のご支援のもと、「井上晴雄.常設個展」を開催中。モノは溢れているけれど、どこかしら生きにくい現代社会。数年間に渡り、画家 井上晴雄が制作してきた「日本の旅風景」をテーマにした作品(絵画と文)を通して、日本の美しさや、未来への希望を味わっていただければという試みです。美味しい「黒豆菓子の即売会」も同時開催中。もしよろしければ、お立ち寄りください
■公開日時・・毎週金曜日です( 10:30~18:30)/※井上晴雄は「1月22日(金)」と「2月12 日(金)」と「2月26日(金)」に在廊しています
■場所 大阪市営地下鉄千日前線または今里筋線今里駅4番出口上がってすぐ かね善ビル一階
(たとえば、新大阪駅からお越しの場合、地下鉄御堂筋線なかもず行で なんば駅へ。地下鉄なんば駅で 地下鉄千日前線南巽行に乗り、四駅目が地下鉄今里駅です。地下鉄今里駅四番出口を上がったら、すぐ左手に、かね善ビルがあります。その一階となります。)
井上晴雄の絵画「黒豆畑と青空」が 、チョコレート菓子「黒豆ラングドシャ」のパッケージになりました。黒豆の粉をまぶしたビスケット風の生地に、ほんのり甘いミルクチョコレートが入っているお菓子です。
お菓子のフタを開けたら、内パッケージに印刷されている当絵画が現れるようになっています。黒豆畑の風景を描いた絵画を眺めながら、お菓子の美味しさをゆっくりと味わっていただければという、思いを込めています。⇒ 。
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